河野元防衛大臣に防衛戦略なし
Japan In-depth / 2021年10月6日 21時0分
照井資規(ジャーナリスト)
【まとめ】
・河野元防衛大臣の言動からは防衛戦略がないことが伺える。
・日本国周辺は先進国で地政学上最も危険な状態。弾道ミサイル対処には二の矢を抑える実力の保持が必須。
・最も日本の平和を維持できるのは、高市早苗氏である。
感染症蔓延の収束後は混乱・混迷から分断と対立が生じ、戦争が起きることは歴史の恐るべき証明である。新型コロナウイルス感染症による感染者は2億3462万7千330人、死亡者数479万7千562人(10月4日現在)と史上最多となり、世界経済に数百億ドル規模の損失も及ぼしてきた。
この人類の歴史上最悪の感染症の収束の次に訪れるものは、同じく史上最大規模の分断・対立・戦争であろうことは想像に難くない。戦争といっても兵器による殺傷に限らず、情報戦、サイバー戦、経済的戦争も含むもので、兵器による殺傷以外は既に交戦状態にあると言っても過言ではない。コロナ禍の次に訪れるであろう国際的な対立は大筋として、技術力に乏しいが経済力豊かな中国と、軍事技術の蓄積はあるが経済力が韓国の次席であるロシアとの結びつきと欧米との対立であり、インド洋から東アジア地域の安定は日本の負担となるだろう。
ミャンマーが内戦状態となった場合の地上戦への介入は自衛隊が担うであろうし、海外で戦闘を行えば、報復として国内でのテロも相対的に増えていく。この国家間の衝突に、オスマントルコ帝国の復興を目論むISILなどの武装勢力、アフリカ大陸の利権争いなどが重なる混沌とした時代を迎えるであろう。
日本国周辺は先進国で最も危険な状態
▲図 出典:筆者提供
図にあるとおり日本は、民主主義指数の下位国でかつ核兵器保有国でもある3国に隣接しており、先進国の中では地政学上最も危険な状態にある。
専制国家や独裁国家のような、民意を政治に反映させない非民主主義国家間が最も戦争が発生しやすい。その次に戦争が発生しやすいのが、民主主義国家と非民主主義国家間である。北朝鮮の民主主義指数は最下位だ。
9月10日、中国海軍とみられる潜水艦が奄美大島周辺の接続水域内を潜没航行した。北朝鮮は13日には新型巡航ミサイル、15日には弾道ミサイル2発を発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下させた。新型巡航ミサイルは1500kmを航行可能であるものの、飛行速度は時速700km~1000km程度であり現行の迎撃システムで撃墜可能である。9月28日には当月5発目となるミサイル「火星8」を発射した。北朝鮮は「新型極超音速ミサイル」と発表したが、速度はマッハ3程度と遅く約200kmしか飛翔せずに日本海に落下した。
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