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エア・インディア、タタ・グループに復帰 インドの浮揚に一役買えるか

Japan In-depth / 2021年10月11日 23時0分

エア・インディア、タタ・グループに復帰 インドの浮揚に一役買えるか




中村悦二(フリージャーナリスト)





【まとめ】





・インド政府がエア・インディアの全株式をタタ・サンズの子会社に売却することを発表し、タタ・グループの復帰が決定。





・エア・インディア(元タタ・エアラインズ)、エア・インディア・インターナショナルは第二次世界大戦後に国有化されていた。





・ポスト・コロナを見据えて人材、資金面で航空業界の基盤固めが進行する中で、エア・インディアの戦略に注目。





 





エア・インディアが、タタ・グループに復帰することが決まった。インド政府が8日、エア・インディアの全株式を同グループの持ち株会社であるタタ・サンズの子会社に売却する、と発表した。





以前の民営化案と違い、全株放出の入札実施だったため、入札にはタタ・サンズと国内格安航空(LCC)大手スパイスジェットの創業業者アジャイ・シン会長兼社長らのコンソーシアムが参加。1800億ルピー(約2689億円)を提示したタタ・サンズを売却先に指名した。タタは、エア・インディアの100%子会社で中東市場向けを中心とした格安航空会社エア・インディア・エクスプレスなども手に入れる。タタはエア・インディアの負債の一部も引き継ぐ。来年には、タタ・グループの一員として動き出す予定という。 





タタ・グループにとって、航空事業は独特な地位を占める。同グループ第5代会長の座に1991年―2012年の間あり、今なおタタ・サンズ名誉会長、タタ・サンズ株式の66%を保有するタタ財団会長を務めるラタン・N・タタは同日、ツイッターで「Welcome back,Air India(お帰りなさい エア・インディア)」とツイートした。





同グループの創業来の歴史に詳しいジャーナリスト、R・M・ララの著作などによると、J.R.D.タタの母親はフランス人。パリで育った彼は、少年時代の住居が初の英仏海峡横断飛行に成功したルイ・プレリオの家の近所で、プレリオの子息と友人だった。2人はプレリオ社の飛行機が飛ぶのをよく見学していた。J.R.D.タタが実際に飛行機に乗ったのは15歳のときだが、彼はパイロットになることへのあこがれをパリ在住時代に抱いたという。





エア・インディアの前身、タタ・エアラインズ・サービスの設立(1932年)はJ.R.D.タタの夢の実現だった。当時、J.R.D.タタはタタ・サンズの平取締役の身。創業者ジャムセトジー・タタの息子の第2代会長ドラブジー・タタは航空事業進出に気乗り薄だったが、資本金が20万ルピーと少額だったことから同意したと伝えられている。





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