比大統領選、台風の目ドゥテルテ氏長女
Japan In-depth / 2021年10月16日 11時58分
大塚智彦(フリージャーナリスト)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
・来年のフィリピン大統領選の候補者出揃う。
・ドゥテルテ大統領の長女サラ氏は不出馬の姿勢。
・しかし11月の締め切りまでに「土壇場の出馬」の可能性も。
2022年5月に実施されるフィリピン大統領選は10月8日に立候補の届け出が締め切られて、予想された主な立候補者の顔ぶれが揃った。しかし各種世論調査で常にトップの人気を誇るドゥテルテ大統領の長女、ミンダナオ島ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長が市長再選への届け出をして、大統領選へは出馬しない姿勢を示している。
しかしフィリピンの大統領選は、個人や政党を通じた立候補は8日に締め切られたものの、政党が届け出た立候補者を代理に交代させることは11月15日までは認められている。
つまりであることから、サラ市長の今後の去就に注目が集まっている。
今後もしサラ市長が大統領選に正式に立候補を決めた場合、これまで届け出を済ませたドゥテルテ大統領支持の候補者とともに反ドゥテルテを掲げる野党側の候補にとっても国民の人気が抜群であるサラ市長だけに、大きな脅威となり、選挙戦略の見直しを迫られることになるのは間違いないとみられている。
■主要な立候補者出揃う
これまでに大統領候補者として届け出をしたのは最大与党「PDPラバン」からは、国民的英雄でプロボクサーだったマニー・パッキャオ上院議員、ロナルド・デラ・ローザ上院議員の2人だ。
▲写真 マニー・パッキャオ上院議員(2021年08月21日) 出典:Photo by Ethan Miller/Getty Images
ただこの2人はそれぞれの党内支持派が独自に擁立した候補者で、デラ・ローサ上院議員はドゥテルテ大統領の側近であるクリストファー・ボン・ゴー上院議員を副大統領候補として組む一方でパッキャオ氏は他党である「ブハイ党」のジョセリート・アティエンザ下院議長を副大統領候補とするという複雑な状況で党分裂の危機に直面している。
さらにマルコス元大統領の息子、フェルナンド・マルコス・ジュニア(愛称ボンボン・マルコス)元上院議員がドゥテルテ大統領の政治継承を掲げて大統領候補として出馬している。
▲写真 マルコス元大統領の息子、フェルナンド・マルコス・ジュニア(愛称ボンボン・マルコス)元上院議員(2021年10月06日) 出典:Photo by Rouelle Umali - Pool/Getty Images
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