首相就任初の総選挙は鬼門か
Japan In-depth / 2021年10月17日 11時0分
▲写真 細川護熙氏と羽田孜氏、7月18日実施の第40回衆議院議員総選挙前 (1993年7月1日) 出典:Photo by noboru hashimoto/Corbis via Getty Images
自民党は昭和30年の結党以来、初めて政権を明け渡す結果となり、宮沢は「平成の徳川慶喜」などと揶揄された。
解散によって政権を失った首相は独り宮沢だけではない。
平成20年に就任した麻生太郎首相は早期解散の時期を逃し、翌年、追い込まれた形で断行したが、当選者がわずか約120人という歴史的惨敗を喫し、鳩山由紀夫率いる民主党の単独政権誕生を許した。
民主党政権最後の野田佳彦内閣も消費税増税で、国民の支持を失い、離党者も相次いで、平成24年の解散、総選挙で大敗。自民党が政権復帰し、第2次安倍長期政権の幕開けとなった。
衆議院の解散、総選挙ではなかったものの、平成元年7月の就任から1カ月余で参院選を迎えた宇野宗佑首相のケースも惨憺たるものだった。
就任早々暴露された自身の女性スキャンダル、導入が決まった消費税への反発、牛肉・オレンジの輸入自由化への農家の不安などが強い逆風となった。
自民党は改選69議席に対して当選は33人。一挙に36議席を失い、非改選を含めても過半数を大きく割り込む歴史的敗北を喫した。
宇野は投票翌日の7月24日、退陣を表明した。2カ月足らずの短命政権だった。
社会党(当時)は24議席増の46議席、自民党を大きく上回った。
土井たか子委員長が掘り起こした女性候補がマドンナ旋風を起こしたのは、この選挙だ。
不利な条件がそろいすぎていたこの選挙は例外というべきかもしれないが、自民党が参院で単独過半数を回復するまでには実に27年の長きを要した。
■ 対立陣営もひきつけた〝鳩山ブーム〟
新しい総理大臣にとって芳しくない選挙結果ばかりみてきたが、首相の高い人気がそのまま勝利に結びついたことももちろんある。
首相就任から解散まで45日、岸田首相に次ぐ短い記録の鳩山一郎だ。
吉田茂率いる内閣総辞職をうけて昭和29年12月10日に就任、年明けの1月24日解散、投票は2月27日に行われた。
鳩山の日本民主党が解散前の124議席から64増の185議席へと大躍進。与党、自由党は一挙に68議席を失い112議席と大きく後退した。
▲写真 鳩山一郎首相(当時)1955年03月03日 出典:Bettmann/GettyImages
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