仏で使い捨てプラスチック廃止加速
Japan In-depth / 2021年10月22日 15時10分
Ulala(著述家)
「フランスUlalaの視点」
【まとめ】
・EUは、2019年に使い捨てプラスチック製品の流通を禁止する「特定プラスチック製品の環境負荷低減案」を採択。
・仏は2020年に「循環経済法」を定め、2040年には使い捨てプラスチックの市場への投入を禁止する長期的なゴールを設定した。
・今年1月1日からは、ストロー、ナイフ・フォークなどが禁止されるなど、EUのプラスチック削減のリーダー的存在となっている。
日本では新内閣が発足し、環境相の交代を受けて「レジ袋有料化」に対する論争が再燃した。有料化に意味を感じず反対する人たちも多いからだ。かなりの高いリサイクル率を保持する日本で、ほんとうに必要な施策なのだろうかと疑問が投げかけられている。
しかしながら「レジ袋有料化」は、化石燃料の輸入依存の削減、リサイクル率100%を目指すため、世界では多くの国が行う流れになっているのも事実だ。
特にフランスでは、2016年に他国に先駆けて使い捨てプラスチック製レジ袋の使用を禁止し、さらに循環経済法が2020年に制定され、廃プラスチックへの取り組みが強化された。その結果、フランス国内では「レジ袋有料化」どころか、現在ではその先の政策に進んでいるところである。
確かに日本と世界のリサイクルに対する戦略はもちろん違うのだが、重なる部分もある。日本もレジ袋の有料化の次には、フランスと同様に他のプラスチック製品の使用削減へと動いていく可能性もあるだろう。そこで、参考のために、現在フランスで行われている取り組みと計画をまとめてみた。
■ フランスのレジ袋有料化の流れ
ヨーロッパでは環境への問題意識が高い国が多い中、約10年前のフランスは、他のヨーロッパ諸国に比べて環境対策が遅れていると言われていた国であった。そこで、あたらな環境対策を組み込み、その遅れを取り戻そうとしたのがオランド政権時に制定された、「プラスチック容器の使用禁止」を含む「エネルギー転換法」だ。
2016年に他国に先駆けて、使い捨てプラスチック製レジ袋の使用を禁止するなど思い切った政策を行ったことで、環境対策に対してリーダー的存在感を示すことにも成功したこの「エネルギー転換法」は、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料の輸入依存を減らすことを狙いとし、再生可能エネルギーへの移行を進める長期的なプロジェクトでもある。そして、プラスチック製品を減らしていくことで、環境保全に貢献することにもつながっているのだ。
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