共産党 各政党政策・リーダー分析 その2
Japan In-depth / 2021年10月30日 21時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・問題意識が鋭く、自民党政権への批判は的を得ている。
・人権保障、貧困、環境保護、外交への批判も手厳しい。
・現実味がなく、批判色が強いという特徴がある。
各党政策・リーダー分析。第二回は、共産党と志位氏。
共産党は、立憲民主党との政策合意により、ついに政権に参加する可能性がでてきた。「立憲共産党」という人もいるが、「限定的な閣外からの協力」をめざすことで一致しただけで、実際2つの党は距離を置いた付き合いを進めていく模様である。
■ さすがの問題意識
まずは政策を見てみよう。問題意識が相変わらずするどい。自民党政権が、様々な不文律を破ってきたことを手厳しく指摘する。
政策集では、「政府が国民に説明してきた、「現憲法下では集団的自衛権は行使できない」という憲法解釈を、一内閣の閣議決定で百八十度変更し、憲法違反の安保法制を強行しました。憲法規範を踏み破った政治は、歯止めがなくなり、共謀罪法、特定秘密保護法など次々に違憲立法を強行しました。」(下線は筆者注))という言葉に政権の問題点が凝縮されている。安倍政権は数々の「不文律」を破ってきた。それは実は世論を意識して政策を推進せざるを得ないほど政権基盤も実は脆弱だったこと(得票率でみると)の裏返しなのか、法律順守意識が政権幹部になかったのかはわからないが。
▲表 【出典】安倍政権が破った「不文律」(人事面):筆者製作
具体的な面で見ても素晴らしい政策も並ぶ。弱者救済は人権を保障したものになっている。
・生活保護を「生活保障制度」に改め、必要な人がすべて利用できる制度にします。生活保護費削減を復元し、支給水準を生存権保障にふさわしく引き上げます。
・「住居確保給付金」「生活福祉資金特例貸し付け」の支援の延長・拡大、給付への切り替えなどの支援を強化します。困窮者が住居を失わないための施策を拡充します
○消費税率を5%に引き下げ、インボイス制度の導入を中止します
─消費税率を、自公政権が2度にわたって引き上げる前の5%に引き下げます。
─コロナ危機で納税困難に陥っている事業者に消費税を減免します。
─政府が導入を予定しているインボイス制度は、零細業者やフリーランスに納税義務を広げ、負担と格差をさらに拡大するものであり、ただちに中止します。
こうした政策は貧困という問題への解決策としては的確である。大企業に対しては、以前と同様、手厳しい。
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