風を「読み違えた」マスメディア(下)似て非なる日英「二大」政党制 その2
Japan In-depth / 2021年11月16日 23時0分
我が国の総選挙に話を戻して、自公政権に対する批判は根強く、かつ広範囲にあったのだが、そうした批判票の受け皿となったのが、立憲・共産ではなく日本維新の会(以下、維新)であったわけだ。なにしろ公示前の11議席から41議席にまで「爆増」した。
この数字だけを見て、憲法改正を強く求めるなど「自民党の右に立つ野党」が。あらためて存在感を示したと評価する向きもあるようだが、2012年のいわゆるブームの中で得た54議席には及ばず、得票集は20万ほども減らしたということは、見ておく必要があるだろう。
別に維新にケチをつけたくてこのようなことを述べるのではなく、データを冷静に見る限り、
「維新の勝利と断じるのは早計で、むしろ立憲・共産の自滅ではないか」
と思えてならないからである。
たとえば、共産党は選挙前に、立憲が政権を取ったら閣外協力して支え、その場合、
「自衛隊解体・日米安保条約破棄」
という方針は「凍結する」とまで言った。それでは今までの主張はなんだったのか、ということになるのは理の当然である。
TVの討論番組で、共産党の女性議員からこの発言を引き出したのが、維新の生みの親である橋下徹氏であったのは、なんとも皮肉な話だとも思えるが。
しかしそれならば……と新たな疑念を抱かれた読者もおられよう。
どうして英国では二大政党の間で割合頻繁に政権交代が起きてきたのに、日本ではそうしたことがなかったのか、と。
それはシリーズのテーマそのものなどで、順を追って見ることとさせていただきたい。
(その3に続く。その1)
トップ写真:2019年の英総選挙で、EUからの離脱を訴えたボリス・ジョンソン首相(2019年11月6日) 出典:Photo by Christopher Furlong/Getty Images
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