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野党に「ビッグボス」はいないのか似て非なる日英「二大」政党制 最終回

Japan In-depth / 2021年12月1日 12時39分

  余談だが、内閣を英語でキャビネットと言うのは、議会をホール(広間)と呼ぶのに対し、有力議員が集まって政策を協議する場を台所(=キャビネット)と呼んだことに由来する。


 それはさておき、2021年11月にマスメディアを賑わせたのは、立憲民主党の代表選よりも、プロ野球の北海道日本ハムファイターズが、新庄剛志氏を新監督に指名したことであった。以下、日ハムと略称で呼ばせていただくが、現役時代(阪神、大リーグのニューヨーク・メッツ、日ハム)から、記録より記憶に残る選手だと言われていた。



写真)ニューヨーク・メッツ時代の新庄氏(2001年3月15日)


出典)Photo by Harry How/ Getty Images


 


 こういう人が野党に現れてくれたらな、と思わされた。


 なによりもまず、あの圧倒的な存在感。就任会見にド派手なスーツで登場し、


「監督でなくビッグボスと呼ばれたい」


 と言い放って、たちまちその呼称を浸透させてしまった。


 過去20年来、つまりは21世紀になってからと言うことになるが、日本の政治家でこれに匹敵する存在感を示したのは、2000年に、


「私が自民党をぶっ壊します!」


 と言い放って自民党総裁選に名乗りを上げた時の小泉純一郎氏くらいなものではないか。


  そんなものが政治家の資質と関係あるのか、と思われた向きもあるやも知れぬが、それまで、総裁選のたびに「変わったこと(=郵政民営化)を言う泡沫候補」とされながらも、一打逆転で総理総裁の座にまで上り詰め、当時すっかり落ち目と見られていた自民党を、世に言う郵政選挙で大勝させたのは、未だ記憶に新しいところだ。


 再び新庄ビッグボスについてだが、監督としての手腕は無論まったくの未知数である。


 しかし、野球解説者の間でも、とりわけ阪神OBたちからは、大いに期待できる、という声が聞かれる。


  と言うのは、阪神時代の監督が故・野村克也氏で、当時から「頭を使う野球」について薫陶を受けている。ビッグボスの「公約」のひとつに、ノーヒットで点を取る野球をする、とあるのは、おそらく野村氏の影響だろう。


 彼はまた、今風に言えば「チャラい」ように見えるけれども、現役時代をよく知る阪神OBらに言わせれば「人知れず努力するタイプ」で、カメラを向けられた時の言動とは異なり、練習量は大変なものだったそうだ。


 今シーズンの日ハムは、最下位に沈んだばかりか、主力選手の暴力事件やら、チーム内で人種差別発言があったとかなかったとか、ろくでもない有様だったが、そうしたネガティブなイメージを、ビッグボスの登場で一挙に吹き飛ばしてしまった。


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