「真珠湾攻撃」80年〝だまし討ち〟の汚名避ける方法はあった
Japan In-depth / 2021年12月6日 18時0分
「大使館は妥結の希望に支配され、覚書をもって開戦になることを予想していなかった」、「東京も、攻撃開始わずか30分前に通告を終えるという、きわどい芸当を求める以上、訓令はもっと親切であるべきだった」として、双方の過失を指摘している。
いわば「喧嘩両成敗」だが、特派大使の随行員という立場からの証言だけに、客観的、説得力を持つ。
当事者のほとんどが鬼籍に入り、真珠湾攻撃が時の流れで遠い過去になりつつある中では、残念ながら真相の解明は、歴史家の研究に委ねたとしても望むべくもないだろう。
■古ぼけたタイプライターは何を物語る
ワシントンの日本大使館旧館ロビーに、数年前まで、時代がかったタイプライターが1台おかれていた。
交渉打ち切りの覚書を書記官が慣れない手つきで悪戦苦闘した、あの機械だともいわれたが、実際には、アンダーウッド社の戦後のモデルというから、覚書作成に使用されたものとは異なる。
しかし、対米覚書遅延の教訓を忘れないようにという心配りから、あえて館員の目に触れるように置かれていたという説がある。十分うなずける話ではあるまいか。
トップ写真:真珠湾攻撃 沈む戦艦オクラホマ(右)1941年12月7日 出典:Photo by US Navy/Interim Archives/Getty Images
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