仏熱狂「ワンピース」第100巻初版25万部
Japan In-depth / 2021年12月14日 11時0分
Ulala(著述家)
「フランスUlalaの視点」
【まとめ】
・世界第二位のマンガ大国フランスで日本のマンガは半分以上の売上高を占める。
・人気の背景として尾野栄一郎氏独自の完成された世界観が挙げられる。
・大人社会だったフランスに日本の「マンガ」は良い影響を与えうる。
尾田栄一郎氏による大人気マンガ「ONE PIECE(ワンピース)」の第100巻初版25万部が、12月8日、フランスで発売された。世界で第2位のマンガ大国と呼ばれるフランスである。発売当日は、フランス各地でマンガ専門ショップやFnacなどマンガを扱う店の前に、開店前から長蛇の列ができ、フランスでの『ワンピース』の人気の高さに誰もが驚いた。
・フランスでのマンガと『ワンピース』の人気の高さ
現在、フランスのマンガ・BD(注1)市場では、日本のマンガが半分以上の売り上げ高を占めている。GFK研究所によれば、2020年全体で2200万冊強の売り上げを記録した。しかし、2021年1月から7月の間にフランスで2510万冊のマンガが販売され売上高は約1億8600万ユーロ。さらに8月だけで2890万冊が販売されており、今年の売り上げは右肩上がりに急激に伸びている。
そんなフランスでも人気の高いマンガ販売量の約10%を占めるのが、『ワンピース』だ。
『ワンピース』は、日本では1997年にスタートしたが、フランスでは2000年から販売された。そしてそれから10年、毎年フランスでのマンガの売り上げトップに立っている。
1000エピソード、そして現在100巻目を迎え、全部読むのに49日以上はかかると言われている狂気的な量のマンガであるのにもかかわらず、それはまったく障壁にはなってはいない。2020年には2019年より89%、2018年より135%多く販売され、毎年売り上げが伸びているのである。
そんな中今回100巻目が発売となり、初版で25万部が印刷されるという前代未聞の領域に到達した。この成功はフランスで最も権威のある文学賞のひとつ「ゴンクール賞」に匹敵するとも言われている。
また、2022年には映画もフランスに届くことになっており、この人気はまだ数年は確実に続きそうだ。
▲写真 欧州最大のコスプレサミット「Japan Expo」に集うコスプレイヤー達(2018年7月5日、フランス・パリ) 出典:Photo by Aurelien Morissard/IP3/Getty Images
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