各国成長鈍化でもバングラデシュ好調「2022年を占う!」アジア経済
Japan In-depth / 2021年12月29日 15時43分
中村悦二(フリージャーナリスト)
【まとめ】
・アジア開発銀行「アジア開発途上国の成長予測」によると、実質成長率は2021年が7.0%、2022年が5.3%。
・東アジア経済(中国、香港、韓国、台湾)の成長率予測、従来予測よりそれぞれ0.1ポイント引き下げて、7.5%、5.0%と下方修正。
・注目はバングラデシュ。
マニラに本拠を置くアジア開発銀行(ADB)が毎年12月に発表している「アジア開発途上国の成長予測」によると、実質成長率(以下、成長率)は2021年が7.0%、2022年が5.3%となっている。
コロナウイルスの感染拡大で、2021年第3四半期の成長率が鈍化したのを踏まえ、2021年9月に出した「アジア経済見通し2021年版」の改訂版予測より、それぞれ0.1ポイント引き下げている。
ADBのチーフエコノミスト代理であるジョセフ・ズべグリッチJr氏は「アジア開発途上国では、ワクチン接種の継続や封じ込め策の一層の戦略的適用を通じて、新型コロナウイルス感染症への対応が進み、年初の成長予測は押し上げられた」としながらも、「第3四半期に発生した新たな感染拡大がGDP(国内総生産)の成長を鈍化させ、オミクロン株の出現が新たな不確実性をもたらしている」とし、経済復興を図る上で新型コロナウイルス感染者の再拡大が主要リスクと見ている。
ADBの「アジア経済見通し」は例年4月に出され、9月に「改訂版」が、7月と12月に補足版が出されている。ADBのいう「アジア開発途上国」は、46の域内加盟国・地域を指し、大洋州、中央アジアも含まれている。
地域別ではまず東南アジア。インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムのASEAN(東南アジア諸国連合)主要6カ国の経済に関し、ADBは2021年12月の補足版で、2021年の成長予測を2021年9月の改訂版より0.1ポイント引き下げ3.0%に、2022年の成長予測を0.1ポイント引き上げて5.1%とした。
国別では、ADBはインドネシアの2021年と2022年の経済成長率はそれぞれ3.5%、5.0%と見ている。中央銀行であるインドネシア銀行は2022年、4.7-5.5%の経済成長を見込んでいる。同国では、行動規制の緩和による民間消費の回復が見込まれ、石炭、加工ニッケル、銅、パーム油などの輸出が増加している。国内でも景気回復の見方が強まっている。
この記事に関連するニュース
-
OECD、世界経済見通し引き上げ 日本は今年0.5%に下方修正
ロイター / 2024年5月2日 16時7分
-
ADB、アジア新興国・地域の2024年と2025年の経済成長率を4.9%と予測(ASEAN、ベトナム、フィリピン、インドネシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月30日 0時5分
-
ロシア、24─26年原油輸出価格見通しを65ドルに下方修正
ロイター / 2024年4月24日 11時39分
-
IMF経済見通し、24年世界成長率3.2% リスクは中国やインフレ
ロイター / 2024年4月17日 0時33分
-
世界銀行、2023/2024年度のインドの経済成長率予測を7.5%に上方修正(インド、バングラデシュ、スリランカ、パキスタン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月15日 0時5分
ランキング
-
1〈速報・那須2遺体〉“全身刺青”の宝島さん娘の内縁の夫が逮捕「何見てんだよ」とポルシェのオープンカーでライバル店に横づけ挑発…「彼はチンピラでした」「ほとんど亡くなった奥さんの命令で動いてた」
集英社オンライン / 2024年5月7日 1時17分
-
2「幼少期から酷い言葉を投げられることもあった」安達祐実(42)が週刊文春だけに語った実母への“絶縁宣言”
文春オンライン / 2024年5月7日 17時0分
-
33か月後に再び来店“万引き犯”…店はマークしていた 札幌の53歳女逮捕「やっていません」
STVニュース北海道 / 2024年5月7日 9時17分
-
4【中継】娘の内縁の夫が“首謀者”か 知人ら2人を死体損壊疑いで逮捕 那須夫婦遺体
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月7日 11時42分
-
5立て続けに自宅被災の珠洲市民、6割が再建の意欲低下…仮設住宅の女性「また被災するかも」
読売新聞 / 2024年5月7日 8時25分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください