バイデン外交の回顧と展望 私の取材 その3 「大きな政府」路線に反対する共和党
Japan In-depth / 2022年1月1日 11時0分
共和党は、政府支出を歯止めなく増やせば、財政赤字が果てしなく膨れるとして、「大きな政府」路線に反対している。バイデン政権にとって辛いのは、現在共和党が非常に強固に団結していることだ。そのため、民主党と共和党が対立するほとんどの法案に、全共和党議員が反対する状況だ。この団結力を強めているのがトランプ前大統領なのである。
▲写真 トランプ前大統領とメラニア夫人(2021年10月30日 ジョージア州アトランタ) 出典:Elsa/Getty Images
トランプ氏は現在もなお共和党内で隠然たる力を維持している。連邦議会の共和党議員の中でトランプ氏を批判する動きはほとんどない。通常は、大統領が選挙で敗れて退陣すれば、その政党内では、前大統領を半分無視するような形で、次期大統領候補が台頭してくるが、現在の共和党ではそうなっていない。
とはいえ、共和党にはかなり魅力的な大統領候補者が何人かいる。例えば、マイク・ポンペオ前国務長官だ。彼は、次の大統領選出馬に色気を見せている。あるいは、トランプ政権で国連大使を務めた女性のニッキー・ヘイリー氏も、ある意味で魅力的な人物だ。カマラ・ハリス副大統領は母がインド系だが、ニッキー・ヘイリー氏は両親ともにインド系である。
▲写真 トランプ政権で国連大使を務めたニッキー・ヘイリー氏(2018年4月14日、国連本部) 出典:Drew Angerer/Getty Images
ヘイリー氏は、南部のサウスキャロライナ州の知事を務めていた。南部の女性の母音が長引く独特な英語の話し方は、柔らかい印象を与える。ヘイリー氏も南部の女性らしく口調は柔らかいものの、発言の内容は非常に厳しい。共和党側の女性大統領候補が出てくるとすれば、まずニッキー・ヘイリー氏だろう。ただし、本人は「トランプ氏が出馬する限り、私は絶対に出ない。トランプ氏を支持する」という発言をしている。
第5の不安定要因は、バイデン大統領の統治能力である。
バイデン大統領が単に高齢であるからということではなく、選挙戦の時から取り沙汰されている認知症疑惑が今も消えていないのだ。
今回のアフガニスタンからの米軍撤退について、バイデン大統領は明らかに事実ではないことを次々に語った。例えば「完全撤退すべきではない、と私に進言した人は誰もいない。軍部も含めてそうだ」と何度も語っている。
ところが、9月28日に開かれた上院軍事委員会の公聴会で、マーク・ミリー統合参謀本部議長は、「米軍部隊の一部のアフガニスタン駐留を継続すべきだ」とバイデン大統領に進言していたことを明らかにした。この公聴会では、アフガニスタンを管轄しているアメリカ中央軍司令官のフランク・マッケンジー将軍もまた「我々は、最後まで2,500人規模の米軍を維持するべきだと、大統領に提言していた」と語った。
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