バイデン外交の回顧と展望 私の取材 その3 「大きな政府」路線に反対する共和党
Japan In-depth / 2022年1月1日 11時0分
バイデン大統領が、嘘をついているのか、それとも認知症のせいなのか、はっきりしないが、少なくとも、明白な発言の矛盾が次々に明らかになっているのは事実だ。
▲写真 フランク・マッケンジー米中央軍司令官。バイデン政権内でアフガニスタンに米軍兵力を維持すべきだと提言していたことを証言。(2021年9月28日 米上院軍事委員会 公聴会) 出典:Alex Wong/Getty Images
また、8月のカブール空港での大混乱の際にも、バイデン大統領は「アルカーイダの残党はもはやアフガニスタンにはいない」と語っていたが、政権に就いたタリバンが、抑留していたアルカーイダ関連の容疑者約5,000人を釈放してしまったというニュースが現地から流れ、国防総省の報道官もそれを認めた。
カブールが陥落した際、タリバンからの迫害を受けることを恐れ、アメリカ人や、アメリカのために働いていたアフガニスタン人は、国外に脱出するためにカブール空港に殺到した。
カブール市内からカブール空港までは、かなり距離がある。ところが、バイデン大統領はその移動時に、「タリバンは全面的にアメリカ側に協力してくれているから、全く問題ない」とも発言した。しかし現地からは「タリバンがアメリカ人の通行を止めた。アメリカ人に向かって射撃をした」といったニュースが入ってきた。こうした矛盾が次々と出てきているのだ。
そのため、ホワイトハウスがバイデン大統領が自由に発言する機会を極端に抑えていることも明らかとなった。
バイデン大統領は、イギリスのボリス・ジョンソン首相と並んで記者会見を行った時に、記者から次々と質問を受け、「私は自由に質問に答えてはいけないことになっている」と語った。冗談なのかと思ったが、本気で言っているようだった。バイデン氏の統治能力についてはあまり表には出てこないが、これも懸念材料、つまり不安定要因の一つと言える。
(その4につづく。その1、その2。全7回)
**この記事は公益財団法人の国策研究会の月刊機関誌「新国策」2021年12月号に掲載された古森義久氏の同研究会での講演の記録の転載です。
トップ写真:バイデン米大統領(2021年12月27日 ホワイトハウス) 出典:Anna Moneymaker/Getty Images
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