10式戦車の調達は陸自を弱体化させるだけ(上)
Japan In-depth / 2022年1月12日 23時0分
米国、英国、ドイツ、フランスなど主要国は10式のような新型戦車を開発することなく、第3世代の戦車に改良を加えて、3.5世代戦車として使用を続けている。これらは得てして80年前後に実用化されているが、90式はそれよりも10年も遅い90年に採用された「最新型」である。これを改良するならば改良費も運用費も遥かに少なくて済んだはずだ。
更に申せばこれまでの61式、74式、90式にしても多少の改良をのぞけば、途中で性能をアップデートするような本格的な近代化がなされることはなかった。そして調達には30年もかけている。諸外国では新型戦車が戦力化されるまでのストップギャップで既存の戦車を近代化するのが普通だ。また調達された戦車も適宜近代化して陳腐化を避ける。
だが陸自の装甲車輌は調達が完了するまで概ね30年かかる。その間に陳腐化が進み、数が揃って一定数が戦力化された段階では既に陳腐化している。
仮に90式の改良を選択すれば予算の余裕もでき、適度な近代化も可能だろう。実際に10式が導入されて10年以上が経つが近代化の話は出ていない。
仮に10式の開発費や調達費を90式の改良に当てれば、5、6年で近代化が可能だったろう。30年もかけて、途中で旧式化する10式を調達するよりは遥かに合理的だ。
陸幕は装備や装甲車輌全体のポートフォリオや優先順位を考えることなく、単に新しい戦車というおもちゃが欲しかったようにしか見えない。
(中に続く。全3回)
トップ写真:陸自が開発、配備を進める10式戦車(著者提供)
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