仏、ワクチンパス移行に反対も
Japan In-depth / 2022年1月15日 7時0分
その日は、パリでは3つのデモが行われた。総勢で1万8000人が参加したが、前回の12月18日の時も、パリで動員されたデモ隊5500人中、4500人がフロリアン・フィリポ氏主宰のデモ隊であったが、今回も最大規模となったのは、極右政党「愛国党」を率いるフィリポ氏主宰のデモ隊だ。1月8日はパレ・ロワイヤル広場に数千人が集まり、マクロン大統領がワクチン未接種者を困らせると言ったのを受けて、“Macron on t'emmerde !”マクロンを困らせる!と叫び反対を訴えた。
■ フランスのワクチン未接種者の詳細
ここで一番気になるのは、これほどまでも政府がワクチン接種を促している中、未だにワクチン接種しない人々とは、いったいどういった人たちなのだろうかということだ。未接種者の理由は多岐に渡っており、明確な人物像を絞るのは難しいところだが、公開されているデータからおぼろげながら輪郭をつかむことができる。
フランスのワクチン未接種者は、年齢別にみれば、12歳~17歳は17.55%、18歳~29歳は4.86%、30歳~49歳は8.87%、50歳~64歳は6.27%、65歳~74歳は4.54%、75歳以上は8.21%で存在する。
12歳から17歳の割合が多いが、接種を始めた時期も遅かったためまだ浸透していない面があるからだ。接種時期も早くはじまり、感染した際に重症になることが多い75歳以上にワクチン未接種者が多いのが気になる。しかし、この年齢層は、ワクチン接種反対者が多いというよりも、ワクチン自体には反対していないものの、自宅にいて表にはあまりでてこないため接種していない高齢者がまだいると結論づけられている。そういった点を考慮すると、自分の意思でワクチン接種をしていない人が多い年齢層は、30歳〜49歳といわれている。
地域では、ワクチン接種していないのはコルシカ島に多い。コルシカ島の35%はワクチン接種していない。またフランス本土でも、比較的、南東部にワクチン接種をしていない人が多い。マルセイユがあるブッシュ=ドュ=ローヌ県や、アルプ=ド=オート=プロヴァンス県では30%は未接種だ。しかしながら、こういった地域の場合は、都会と違い立地的に医療へのアクセスが難しいケースも存在しており、ワクチン接種に反対しているからとは一概に言えない場合が多い。フランス全国的に見れば、各自のワクチンを接種しない事情は複雑で、詳細は地域によって異なる場合もある。
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