「高校3年生同士で結婚」は可能か 民法改正「18歳成人」に思う その3
Japan In-depth / 2022年1月18日 7時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・髪型や服装を縛る校則は「学校の教育権」が優先されてきた。
・18歳同士「高校在学中の結婚を禁ずる」校則も憲法違反にならない可能性が高いのでは。
・「両性の合意」規定の下、早急に論議を深めるべきは「同性婚」問題。
かつて『おさな妻』というドラマがあった。
1970年に東京12チャンネル(現・テレビ東京)で放送されたもので、当時小学6年生だった私は、母親につき合って幾度か見た。
実は私の母親は女子高の教師をしていて、
「学校で大変な評判だから」
という理由で見始めたらしい。つまり最初から最後までは見ていないわけだが、私の記憶がたしかならば、母親を突然亡くして保育園でアルバイトをしていた女子高生が、自分と同様に母親を亡くした園児、さらにはその父親と親しくなり……というストーリー。
原作は富島健夫の小説で、少々いわくありげなタイトルだが(当時はもちろん、そんなことは考えなかった笑)、本当のところは女子高生・主婦・母親の三役を突然担うことになった女の子の奮闘ぶりと、周囲の人たちの温かさが人気を博したらしい。要はサッカーやラグビーを軸とした青春ドラマの女子高生向けバージョンといったところではなかったか。
もちろん今回のテーマは、そのような詮索ではない。
改正前の民法では、女性の場合16歳以上であれば、親の同意を得て結婚することが可能であったわけだが、今次の改正で18歳以上が成人と認められるようになったため、この年齢であれば、当人同士の意思だけで結婚することが可能になる。
ここで問題なのは、現在18歳の日本人の90%以上は高校在学中である、ということ。
高校生同士の夫婦、それも「できちゃった結婚」となったら、ドラマの世界どころか周囲にとってはシャレにならないのではあるまいか。
別の問題もある。校則でもって「在学中は夫婦になってはいけない」と定める学校があったような場合、これは憲法違反にならないのか。
その議論の前に、どうして結婚に法律の縛りがかかっているのか、また、その法律はどのように変遷してきたのかを見てみよう。
写真)新婚カップル(京都)。イメージ
出典)Photo by Eric Lafforgue/Art In All Of Us/Corbis via Getty Images
まず、日本国憲法第24条1項には、こうある。
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