「高校3年生同士で結婚」は可能か 民法改正「18歳成人」に思う その3
Japan In-depth / 2022年1月18日 7時0分
すると、高校生同士が夫婦になることに対して学校が反対する、もしくは校則で禁止すると言うことは、可能なのか。
法曹関係者の中には、憲法第24条1項との整合性を欠くので、そうした対応は難しいだろう、と見る向きが多いようである。
本当にそうだろうか。
まず、理由はどうあれ年齢制限がかかっている時点で「両性の合意のみで結婚できる」わけではなくなっている。しかしながら、この規定について違憲訴訟が提起されたという話は寡聞にして知らないし、そのように主張する憲法学者がいるという話も聞かない。
さらに言えば、髪型やスカートの丈などに校則の縛りをかけている例は多いが、これも杓子定規に言えば、日本国憲法が定めた表現の自由(第21条)に抵触するだろう。しかし、学校には教育権がある、という考え方の方が優先されてきたのだ。
こうした次第なので、高校生同士の夫婦の是非をめぐって憲法判断を求める訴訟が提起されたとしても、そのような校則は憲法違反である、との判決が下される可能性は、さほど高くないのでは、と私は考える。
最後に、これは成人年齢の問題と直接の関係はないが、日本国憲法第24条1項の解釈をめぐって、早急に論議を深めるべきは「同性婚」の問題ではないだろうか。ここまで繰り返し述べてきたように、結婚の条件は「両性の合意」のみで、同性婚はそもそも想定されていない、というのが目下のところ法曹界で多数派を占める意見のようである。
しかしながら、条文を素直に読む限り、同性婚を認めていない、とも考えにくい。
この問題は、いずれ項をあらためて見ることにしよう。次回は、少年法改正と民法・憲法との兼ね合いについて考えてみたい。
トップ写真)イメージ
出典)Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
朝ドラ「虎に翼」も後押し…経団連が「選択的夫婦別姓」異例の提言、そのきっけとなった出来事
プレジデントオンライン / 2024年6月17日 10時15分
-
「前向きで背中を押してくれる条文」渡辺ペコさんが語る『1122』の冒頭に憲法第24条を入れたワケ
CREA WEB / 2024年6月14日 7時0分
-
日本で「夫婦別姓は他人事」と考える人の大問題 「虎に翼」が問う法律とは誰のものなのか
東洋経済オンライン / 2024年6月12日 11時0分
-
[社説]同性カップル事実婚表記 権利保障へ重要な一歩
沖縄タイムス+プラス / 2024年6月4日 4時0分
-
300日がボーダーライン…離婚後、まさかの「妊娠」が発覚!「戸籍・養育費」はどうなる?【弁護士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月27日 10時0分
ランキング
-
1住宅で女性の遺体発見 近くには刃物 出入り口や窓は全て施錠 高知
ABCニュース / 2024年6月24日 21時54分
-
2住宅供給公社の一方的な家賃値上げ「入居者争える」…最高裁が初判断
読売新聞 / 2024年6月24日 20時42分
-
3小池都知事にも脅迫文=「硫酸かけ失明させる」―警視庁
時事通信 / 2024年6月24日 23時23分
-
4フェリーから女性客が転落か 23歳の女性が行方不明 父親が警察に行方不明者届 乗客が立ち入り禁止の甲板に黒い傘 徳島港から和歌山港に向かう南海フェリー
MBSニュース / 2024年6月25日 7時22分
-
5身に覚えのない当選ハガキが届く… 名古屋のプレミアム付き商品券 「亡くなった妹の名前で」「名前が違う」など
CBCテレビ / 2024年6月24日 12時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)