中国1人当たり年間可処分所得の実態
Japan In-depth / 2022年1月18日 19時0分
澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)
【まとめ】
・全人口13〜14億人の平均可処分所得は1日3500円未満。低所得層では1日約334円。
・スーパーリッチは少なくない。上位1%が総資産に占める割合は30.6%。
・都市と農村、業種間の貧富の差は大きく、常に社会不安がつきまとう。
『中国統計年鑑』(2021年版)を参考にしながら、「中国の1人当たりの年間可処分所得(税金や社会保険料を除いた“手取り”)」について考えてみたい。なお、最新の統計は、一昨年(2020年)の数字である(ここでは「購買力平価」を捨象する)。
同年鑑では、中国全体を5つの階層(各20%ずつ)、すなわち(1)低所得層、(2)下位中所得層、(3)中所得層、(4)上位中所得層、(5)高所得層に分けている。
仮に、今の中国の人口が13億人だとしよう。すると、各階層は2.6億人である。ならば、(1)+(2)は5.2億人、(1)+(2)+(3)は7.8億人、(1)+(2)+(3)+(4)は、10.4億人となる。
他方、14億人の場合、各階層は2.8億人である。すると、(1)+(2)は5.6億人、(1)+(2)+(3)は8.4億人、(1)+(2)+(3)+(4)は、11.2億人となるだろう。
目下、1元は約18円のレートだが、2020年当時、元と円の年平均レートは約15.48円だった。
さて、各層の1年間の可処分所得(いわゆる「“手取り”年収」)は、(1)低所得層は7868.8元(約12万1809円)、(2)下位中所得層は1万6442.7元(約25万4533円)、(3)中所得層は2万6248.9元(約40万6333円)、(4)上位中所得層は4万1171.7元(約63万7338円)、(5)高所得層は8万0293.8元(約124万2948円)である(図表を参照のこと)。
▲表 筆者作成
▲図 著者作成 出典:同上
もしかすると、「“手取り”年収」よりも、1カ月当たりの可処分所得、すなわち「“手取り”月収」の方が、よりイメージしやすいのではないか。
(1)低所得層は約1万0151円、(2)下位中所得層は約2万1211円、(3)中所得層は約3万3861円、(4)上位中所得層は約5万3112円、(5)高所得層は約10万3579円である。
ちなみに、1日当たりに換算すれば、(1)低所得層は約334円、(2)下位中所得層は約697円、(3)中所得層は約1113円、(4)上位中所得層は約1746円、(5)高所得層は約3405円となる。
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