ウクライナ巡り政府・与党で場外乱闘 遠因は岸田政権の〝親露政策〟継続?
Japan In-depth / 2022年2月22日 11時0分
■ 毒殺未遂、欧米の制裁横目で〝誕生会〟
今回と似たケースとして思い出すのは、2018年3月、英国内でロシアの元情報部員父娘が神経剤で襲撃され重症に陥った事件だ。
欧州各国はロシアの情報機関が関与しているとして、外交官追放など強い手段をとったものの、その最中に日本は、あろうことかロシアのラブロフ外相を東京に招いて河野外相との間で外相会談を行い、昼食会では、その日が誕生日というラブロフ氏にバースデーケーキを振る舞うおまけまでつけた。
英国のメイ首相(当時)が直前、安倍首相に電話、制裁への同調を強く求めた直後であるにもかかわらずだ。
■ G7歴訪の帰途、追放されたロシアを訪問
日本政府とくに安倍政権の度を越したとも思える親ロシア、親プーチンの姿勢を示すケースはほかにもある。
2016年5月、日本で開かれたG7首脳会議(伊勢志摩サミット)の直前、議長の安倍首相が欧州各国を歴訪、首脳と事前会談を行ったが、その帰途、何とロシア・ソチに立ち寄り、プーチン大統領と会談した。
G7首脳との準備会談の帰途に、追放されたロシアを訪問するという無神経さに、欧州各国の首脳はさぞ不快だったろう。
■ ロシアのG7復帰、欧州は反対、日本賛成
2019年夏、フランス・ビアリッツで開かれたG7サミット(主要国首脳会議)で、トランプ米大統領が、ロシアをG7に復帰させるべきだと主張した際、安倍首相は「ロシアが国際的問題に建設的な形で参加することが望ましい」と真っ先に歓迎の意向を示した。他の参加国はいずれも、慎重姿勢だったが。
翌年、トランプ大統領が自国での開催を控えて、同様の議論を蒸し返した時には、やはり日本の茂木外相(当時)は、一年限りのゲストという条件付きながら、明確に賛意を示した。
クリミアの原状回復がなされず、日本にとっても北方領土返還が実現しないにもかかわらず、ロシアのG7復帰に賛成するというのだから理解を超えるというほかはない。
写真)G8サミットの写真撮影に臨む安倍首相(当時)とプーチン大統領(2007年6月8日 独・ハイリゲンダム)
出典)Photo by Sean Gallup/Getty Images
■ 無意味で危険なロシアへの譲歩
安倍氏が首相在任中に、プーチン氏と会談したのは27回にのぼった。ウマが合ったのだろうが、やはりロシア首脳との良好な関係が、北方領土問題へ好影響をもたらすことへの期待感があったろう。
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