1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

ウクライナ侵攻 ロシアにも三分の理

Japan In-depth / 2022年2月27日 11時0分

つまりゴロツキでも「親欧米」であれば支持するのであれば、冷戦期にチリのピノチェト政権など南米やアフリカなどの独裁政権を支持、支援したのと同じ構図である。そして米国は独裁国家のサウジアラビアと同盟関係にある。


ロシアにしてみれば、自分の隣国のウクライナがNATOに加盟するということは、NATOに対する緩衝地帯を失うということだ。それは自国の生存権を脅かされるということだ。ロシア人は猜疑心が強く、臆病な国民性を持っており、ウクライナのNATO加盟は容認できないだろう。ロシアの暴発は明らかに予想できたはずだが、それでもロシアを追い込んだ。ロシアが「凶行」に及んだのは欧米に責任がないとはいえない。


たとえは悪いが、長年いじめられっ子にパシリを強要したり、金を出せと恐喝したりしていたクラスメートが、耐えかねたいじめられっ子にナイフで刺されたら、悪いのは刺した方だけなのだろうか、ということだ。


例えばメキシコとロシアが軍事同盟を結んで、メキシコ内にロシアの弾道弾ミサイル基地や、原潜の母港を建設し、何個師団も機械化部隊が駐留するとなったら、アメリカは容認するだろうか。冷戦時のキューバ危機ではキューバにソ連のミサイル基地ができるということで全面戦争直前までいったことを思えば米国の反応は想像できるだろう。


欧米、そして我が国のメディアでも欧米=グッドガイ、ロシア=バッドガイという、単純なハリウッド映画みたいなフレームで報道をしている。その欧米政府やメディアは信じられるのだろうか。


湾岸戦争ではクウェートから逃げてきた少女が「病院でイラク兵が赤ん坊を殺している」と証言してこれがテレビで大々的に報道された。ところが後にこれは嘘で、しかも少女は難民ではなく、在米クェート大使の娘だったことが判明した。これは広告代理店が演出したヤラセだった。恐らく米国の情報筋もそれは掴んでいたはずだ。ところがこのようなフェイクニュースで世論は開戦に傾いた。これによって多くの国が参戦し、多額の戦費が費やされて、戦死傷者もでた。だが事実が暴露されても関係者は「戦争犯罪」で処罰されていない。やり得だった。


コソボ紛争でも「エスニッククレンジング(民族浄化)」という言葉が「発明」されて、セルビアが一方的に「エスニッククレンジング」を行っている悪者、コソボ人=被害者的な報道が主流だった。ところがこれも嘘で、KLA(コソボ解放軍)の方が先に警察署を襲ったり、虐殺行為などを行っていた。やったらやり返すことが繰り返されて、第三者からみればどっちもどっちだったが、西側メディアはセルビアだけを悪者にした。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください