プーチンを国際法廷に引き出せ 日本は後れとらず制裁主導を
Japan In-depth / 2022年2月27日 23時0分
今回のウクライナ侵攻をめぐっても、日本政府の動きには、心もとないことが少なくなかった。
緊張が高まっていた2月15日、林外相がロシア側の経済閣僚と、経済協力についてテレビ会議で話し合った。各国で制裁が検討されているときに、外相が「日露両国の幅広い関係発展をめざす」などと呼びかけているのだから、驚くほかはない。
写真)レシェトニコフ、マクシム・ゲンナジエヴィチ・ロシア連邦経済発展大臣と貿易経済に関する日露政府間委員会共同議長間会合に臨む林芳正外相 2022年2月15日 東京・外務省
出典)外務省
外相はまた、1月25日の記者会見で、ロシアが侵攻した場合、制裁を発動するのかと聞かれ、「仮定の質問への答えは差し控えたい」と述べた。なぜ、ロシアに対して警告をしなかったのだろう。
今回のロシアの国際法違反に目をつぶってしまえば、台湾進攻を目論む中国、国連決議を無視して核開発を進める北朝鮮を勢いづけ、日本にとっては今以上に深刻な事態になる。それを避けるためにも、むしろ積極的に制裁の旗振りを買って出るべきだろう。
クリミア併合の時に、日本が厳しい制裁を見送ったのは、北方領土問題への悪影響を慮ったのだろうが、ロシアが領土返還に応じる姿勢を一切見せない今、配慮することなどひとつもないはずだ。
自民党の佐藤正久外交部会長は、今回の侵攻を受け、安倍政権が提唱した北方領土での共同経済活動について、「片方で強い制裁をやると言いながら、他で経済協力を続けたら西側諸国は日本を信用しない」と、見直しを主張した。その通りだろう。
ロシアを孤立させてこそ、北方領土問題でも譲歩を期待できるのではないか。
■ ロシアの反政府勢力支援も効果?
国際法を踏みにじったプーチン大統領の国際犯罪が想起させるのは、名前を口にすることすら忌み嫌われ、他の人物と名指しで比較することがタブーになっている人物、第2次大戦を引き起こした、あの人物だろう。
いうまでもなく、「力による現状変更」は、第2次大戦前夜の欧州の状況と酷似している。
2024年の任期切れの後も2期12年、36年まで在任可能なプーチン大統領を国際政治の舞台から排除することは可能だろうか。
選挙で敗れることはおよそ考えられないし、かつての冷戦華やかなりしころにCIA(アメリカ)が画策した各国首脳の暗殺などは21世紀の今日、しかもCIAの力が損なわれている今日、非現実的だ。
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