狭まる「プーチン包囲網」クーデターか暗殺か、戦争犯罪で被告席か
Japan In-depth / 2022年3月10日 15時54分
しかし、同様の動きは欧州を中心にひろがりをみせはじめている。
英国のオンライン新聞「London loves Business」は、プーチン大統領が、核を含む抑止力部隊を厳戒態勢に置くことを支持した翌日の2月28日、英国の安全保障専門家の話として、「7日以内に側近によって暗殺される可能性がある」と報じた。
■ 英閣僚はクーデター呼びかけ
〝予言〟は現実にならなかったが、暗殺という違法な手段はともかく、クーデターによってプーチンを権力の座から引きずり下ろすことへの待望論は少なくない。
ジェームズ・クレバリー欧州北米担当相はウクライナ侵攻が強行された2月24日、英スカイニュースなどのインタビューで、「軍の将軍たちは、プーチンの行動を止められる立場にある。われわれは彼らに、それを計画することを求めたい」と明確に呼びかけた。
Daily Mail 紙のオンライン版、「Mail Online 」はプーチン氏が放逐された後の後継者について予測、ショイグ国防相、パトリシェフ国家安全保障会議書記、メドベージェフ元大統領らの名を挙げた。
▲写真 英国の国防大臣ロバート・ベン・ロバン・ウォレスと握手をするロシアの国防大臣セルゲイ・ショイグ。(2022年2月11日) 出典:Photo by Tim Hammond/MoD Crown Copyright via Getty Images
いずれも〝プーチン亜流〟とも思えるが、Mailは、ショイグ氏について、「現実的で有能」と評価。プーチン氏から、核を含む抑止力部隊を厳戒態勢に置く命令を受けた時の複雑な表情に言及、国防相が不当な命令に対して反旗をひるがえすことへの期待感をにじませた。
武力を持つ軍がクーデターの中心になることはミャンマーの例を引くまでもなく、過去の例を見ても明らかだ。
■ 国際刑事裁判所は捜査開始
殺害、クーデターなど荒っぽい手段ではなく、より支持を得やすく、現実味があるのは、国際刑事裁判所(ICC:オランダ・ハーグ)による訴追だ。
▲写真 オランダのハーグにある国際刑事裁判所。(2018年7月20日) 出典:Photo by Ant Palmer/Getty Images
英独仏など39カ国は3月2日、国際刑事裁判所に、告発に当たる訴追の付託を行った。2月末から職権で訴追の準備を行っていたICCのカリム・カーン主任検察官(英国出身)は、これをうけて捜査を開始する意向を表明した。
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