仏、「細菌汚染食品」による食中毒相次ぐ
Japan In-depth / 2022年4月11日 22時57分
ラクタリス社グループのチーズから発見されたリステリア菌は、パートナー農場の生乳が原因だった。生乳というのは無殺菌乳のミルクのことだ。生乳で作られたチーズは、ミルクの中の有益な乳酸菌が生きており、風味が豊かで人気があるものの、このようにリステリア菌などの細菌類が混入する可能性がある。
リステリアは、他の一般的な食中毒菌と同様に加熱により死滅するが、4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖する点が特徴だ。症状は発熱など、インフルエンザに似た症状の場合もあれば、敗血症、髄膜炎、中枢神経系症状などを引き起こす場合(リステリア症)もある。リステリア症は、食中毒による2番目の死因で、フランスでは年間数十人が死亡している。ラクタリス社グループのチーズについては、汚染されている可能性があることがわかりすぐにリコールされたが、幸いなことに感染者はまだいない。
■ 消費者側も予防策を
今回は死亡者がでたので大きくとりあげられたが、実は、こういった食中毒に関するリコール自体は日常的におきていることはご存じだろうか?
人間が食物を食べる限り食中毒はなくなることはない。もちろん、企業側が努力することが一番重要であるが 消費者側もかしこく原因を見極め、被害を最小限に抑えるために対策を怠らないようにしていきたいところである。
例えば、問題となったピザは冷凍食品であったが、今回のことで特に冷凍食品に関してはよく加熱するように繰り返し報じられている。菌は冷凍している状態でも生き続けるためだ。しかし多くの菌は加熱することで死滅する。
また、すでに製品に付着していている場合は対策も難しいが、サルモネラ菌などは自然界から菌が付着する場合もある。保菌しているネズミ・ハエ・ゴキブリや、犬・猫・カメなどの「ペット」から感染する場合もあるので、動物を触った際にしっかり手洗い、さらに生の魚や貝類、肉、卵などに触れた後は、手を洗ってから次の調理に移ることが大切だ。
生乳のチーズは、食中毒の原因になることは知られており、過去、死亡者もでている。そのため日本では作られるチーズはほぼ全てが殺菌乳のチーズとなっているのだが、生乳と殺菌乳では風味がぜんぜん違う。だからこそ、生乳のフランスのチーズが美味しく感じられるのだ。この伝統を守るためにも、フランスでは、A.O.C.、A.O.P.という品質認証システムがあり、生産者側が十分注意を払われているが、リスクが残っていることは間違いない。そこで、フランスの保健局では、生乳のチーズは、・5歳以下の子供・妊娠中の女性・免疫不全の人や体調がすぐれない人は食べないように推奨している。(生乳から作られたチーズを食べるときの注意事項|農水省)年齢や体調にあわせてチーズを選ぶようにしたいものだ。
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