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津軽弁で押し通すアイドル 方言とソウルフードについて その5

Japan In-depth / 2022年4月30日 9時10分

津軽弁で押し通すアイドル 方言とソウルフードについて その5




林信吾(作家・ジャーナリスト)





林信吾の「西方見聞録」





【まとめ】





・津軽弁というのは、世代を超えて堅持されている数少ない方言のひとつ。





・同じ方言でも世代によって用法や意味合いが異なる。





・津軽弁のイントネーションは、あまりにも標準語とかけ離れているので、 かえって標準語を話す際にも妙なイントネーションにならない。





 





「RINGOMUSUME=りんご娘」というグループをご存じだろうか。





青森県弘前市を拠点に活動する、いわゆるご当地アイドルで、メンバー全員、りんごの品種を芸名としている。王林、ジョナゴールド、彩香(さいか)、とき等々。歴代メンバーを検索すると、金星、つがる、紅玉などの他に、あまり聞いたことのない品種の名前もある。





私なども、インドりんごとは実は米国インディアナ州原産である、といった程度の知識はあったが、りんごの品種がそれほど多岐にわたるとは知らなかった。





彼女たちには、もうひとつ特色がある。全員、津軽弁でまくし立てるのだ。とりわけリーダーだった王林という子は、身長170センチのモデル体型と、津軽弁での「天然発言」のギャップが受けて、バラエティ番組などで引っ張りだこになっている。





どのあたりが「天然」なのかと言うと、たとえば映画を見る際は、まず一人で見に来ている人を探して隣に座る。しばしばストーリーが分からないので教えてもらうためだとか。それだけでも迷惑この上ないと思うが、その隣の人のポップコーンを食べてしまったこともあるなどと悪びれずに語ったりする。





それは天然でなく非常識と言うべきだろう、と思うが、これまで幾度となく





「美人はなにをしても許される」





と書いてきた手前、あまり強く批判もできないのが辛いところだ笑。





さて、本題。





これまでも、ご当地アイドルと呼ばれる人たちはいたが、方言を正面に打ち出すことは、あまりなかったのではないか。もっとも彼女たちの場合は、青森への思い入れをアピールするために、あえて方言で通しているのではないか、と見る向きも多いようだが。





まったくの偶然ではあるが、古い友人の一人に青森県出身者がいたので、色々と質問することができた。ちなみに現在、都内の私大で日本文学の教鞭をとっており、その彼が以前、





「上京してきた友人は、みんな標準語になってるよ。津軽弁で仕事をするというのが状況的にあり得ないので」





と語ってくれたのを覚えていた、という理由もある。





まず、王林が津軽弁でまくし立てたところ、あるお笑いさんが。





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