ロシアでクーデターが起きる?気になるプーチン政権の「余命」その1
Japan In-depth / 2022年5月20日 18時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・ウクライナ軍情報部や英国国防省、NATO事務総長がウクライナの勝利に肯定的な発信を行った。
・フィンランド、スウェーデンの両国がNATO加盟を申請し、日本のメディアは「プーチンのオウンゴール」と揶揄。
・NATOは、ロシア弱体化を目指す戦略に自信を持ちはじめているのでは。
「8月までにはロシアで政変が起き、ウクライナの戦況も的に変化する」
突如としてこのような話を聞かされたら、読者諸賢はどう思われるだろうか。
これが、よくあるネット情報の類いであったならば、私などまず絶対に信用しない。
しかし、ウクライナ軍情報部のコメントとして、欧米のマスメディアが大きく取り上げたとなると、話は別だ。
言うまでもないが、マスメディアの情報を鵜呑みにするのはよろしくない。ただ、火のない所に煙は立たない、という言葉もあるので、やはりここは、なぜそうした見方が出てきたのか、というところまで遡って検証する必要があるだろう。
※ ※ ※
ロシアによるウクライナ侵攻は、開始から(宣戦布告がなされていないので〈開戦〉は適当でない)間もなく2ヶ月になろうとしている。
この連載では、新年特別号、そして3月にもシリーズとして取り上げたが、先行きはまだ不透明だ。たとえばペンタゴン(米国防総省)筋が、
「ロシアはさらなる長期戦を覚悟している」
との見方を開陳していたのに対し、英国のベン・ウォレス国防大臣は、
「ロシアが勝利する可能性について、未だに否定はできない」
などとコメントした(TIMES電子版などによる)。
ただしこれは4月中旬の段階でのコメントであって、その後4週間、ロシア軍がほとんど占領地を拡大できないばかりか、一部地域では押し戻されるという苦戦ぶりで、現地時間の16日未明には、ウクライナ軍が東部ハリコフ州からロシア軍を駆逐し、国境地帯にまで到達したとされる。
これに先駆けて英国国防省は、
「ロシア軍は緒戦に投入した兵力3分の1をすでに喪失した可能性が高い」
との戦況分析を発表した。日本でも報じられたので、ご存じの読者もおられよう。
さらにはNATO(北大西洋条約機構)のイェンス・ストルテンベルク事務総長が、
「ウクライナはこの戦争に勝利できる」
とコメントし、加盟国などに対して、一層の軍事支援を行うよう呼びかけた。
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