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参議院選挙の本当の「争点」③ 賃上げ

Japan In-depth / 2022年6月29日 7時0分

◇中小企業社長の考え





最低賃金を上げるとなると、「うーむ」という人もいるだろう。それは経営者だ。やはり労働者を安くこき使いたいというインセンティブが働いてしまうのは仕方ない。売り上げを大幅に上げる社員には時給5000円でも払っていいかもしれないが、売り上げに貢献していない、命じたことをただやるだけの社員なら、少しでも抑えたいという考え方になってしまうのが経営者という生き物である。





「人的資本」という考え方が最近広まってはいるものの、「人財」として考えている社長は少なく、「コスト」と考える社長も多い。それは「労働」を金で買っていたり、創造性を活かした仕事を社員にさせていないからだともいえる。





しかし、やはり、アトキンソンさんが言う最低賃金の意味を我々は改めて考えるべきだろう。最低賃金を上げれば、経営者は人を雇用するよりDXやロボットへの代替にインセンティブが向く。最低賃金レベルで働いている労働者は職を失ったとしても、各党が掲げる「人への投資」のプログラムでリスキリングや職業訓練を受け、生産性の高い、賃金を高めに支払える業界に移れる。単なる「労働」から「仕事」へと仕事観も変わり、自律的キャリアも見出せるようになる。結果的に、産業構造改革が進むということにつながるのだ。





◇日本経済再生の突破口?





さらに、正直、最低賃金を言う中では、地域間格差の問題も取り上げないといけないだろう。最低賃金の成り立ちを見れば、それこそ問題ともいえる。その意味で、国民民主党の「どこでも」という考え方は素晴らしいが、地方の最低賃金を上げるという政策があってもよいと思った。





結局は、最低賃金を上げられなかったのは経済成長していないから、ともいえる。しかし、経済成長できなかったのは、最低賃金を上げなかったからかもしれない。そこは本当のところはよくわからない。ただ、最低賃金を上げていくのが先か、経済成長が先か。それはニワトリと玉子の関係みたいなものなのだろう。





まずは「どのように」最低賃金を上げていくのか具体的な手法や進め方を国民に示して欲しい、各党に期待したい。





トップ写真:ファストフード店での最低賃金を1500円にするよう求める人たち(2015年4月15日、東京) 出典:Getty Images




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