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日本のものづくり最大の危機①

Japan In-depth / 2022年7月1日 18時0分

日本のものづくり最大の危機①


照井資規(ジャーナリスト)





【まとめ】


・日本は世界の国家安全保障の最前線に在り、早急な国力の回復が求められる。


・補助金や融資の制度はコロナ禍に対応した方法で行うべき。


・早急に対策を講じなければ史上最悪の大不況と、倒産・廃業・失業者の爆発的増加を招きかねない。


 


 不幸は決して単独でやってこない。疫病の大流行の後には戦争が起こることは歴史の恐るべき証明であるが、今回もやはり繰り返されてしまった。しかもその、ロシア・ウクライナ戦争は日本の隣国で起きており、侵略されるおそれが目前に迫っている。昨年10月7日夜には首都圏で震度5の地震も発生した。人類は在来型のコロナ型ウイルスを制御できたことは一度も無いのであるから、ある程度の犠牲は受け入れた状態で経済面の対策を進めて行かなければ国土防衛の備えができなくなる。深刻なのは日本のものづくりの停滞である。今回は実際に筆者が経験した内容について述べる。


 筆者は6月12日(日)から6月17日(金)の間、フランス共和国のParc des expositions de Paris-Nord Villepinte(パリ・ノール・ヴィルパント展示場)にて開催された国際的な防衛・安全保障展示会Eurosatory2022(ユーロサトリ)を取材した。Eurosatoryは2年に1度、開かれる世界最大規模の屋内・屋外に渡る国際展示会で、2020年はコロナ禍により開催されなかったために今回は4年ぶりの開催である。4年も経てば平時ですら戦争の様相が変わる。後追いではなく先んじて変化を捉えるために、今、Eurosatoryを見ておくことは極めて重要だ。



写真)ユーロサトリのPRESS PASS


提供)筆者


隣国と国境を境に陸で繋がっているヨーロッパ諸国の侵略に対する意識は日本人では想像が及ばないものだ。故に、兵器や戦争についての変化も予想を遙かに超えて速い。特にロシア・ウクライナ戦争は、疫病の蔓延に続いての戦争であるから、時計の針の進みはますます速まっている。それと同時にフランスでの生活を通じ実感したのが、先進国では日本だけが経済活動の回復が遅れていることの実態だ。


「ゼロリスク、ゼロコロナ追求で失う重大な勝因」にて書いたように、新型コロナウイルスによる犠牲を皆無にする、ゼロコロナ追求、生命至上主義に偏った施策が2年以上も続いたことで、未曾有の大不況が訪れることは避けられないであろう。有事なのか平時なのかわからない対策を検証もなしに続けていることが最大の問題である。有事とするならば、昨年度は一切の選挙を延期してコロナ禍対策に集中すべきであった。公助は現政権でなければできないのであるから、2020年3月にフランスが「公衆衛生上の緊急事態に関する法案」を僅か8日で可決し施行、法に基づいた対策を始めたように、コロナ禍が収束するまで対策に専念し、その成果を選挙で問うべきである。


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