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参議院選挙の本当の「争点」⑥ 産業構造改革

Japan In-depth / 2022年7月3日 23時0分

 地方創生事業で、多くの広告代理店が群がってきて、成果も残さず利益を持ち去っていく姿を目の前にして唖然としたことを思い出す。2010年代の特徴は、補助金や助成金で旧態依然とした産業が延命・生き残ってしまったことに尽きると思う。筆者の意見に疑問を持つなら、以下のサイトで企業名を検索してみて欲しい。どういう業界の、どういう企業が利益を得たかがわかるだろう。


☆構想日本作成 JUDGIT!


 さらに、租税特別措置の適用実態調査の結果(財務省)を見てみればびっくりする。租税特別措置とは、企業や業界が当分の間、税金を軽減し、若しくは免除してもらえる措置のこと。詳細な企業名は公開されていないが、多くの企業が「特例」を受けていたことがわかる。ちなみに、今回の公約にて、維新の会は租税特別措置の廃止を、立憲民主党は「租特透明化法」を強化、効果が不明なもの、役割を終えたもの等は廃止することを謳っている。


■ 日本経済の今


 現状はどうなのかを見てみよう。



▲グラフ【出典】内閣府HP、就業者数の変化率(2005年度~2015年度)


 内閣府の2005~15年度の職種別の就業者数の変化率では、製造業では就業者減少、サービス業では増加、なかでも、医療、不動産、情報通信等で就業者数が増加した。



▲グラフ【出典】内閣府HP、就業者数の変化率(2005年度~2015年度)


 職業で見ると、一般事務員、軽作業員が求職超過、つまり仕事を求める人が求人数より多い状況である。


■ 各党の政策から


 各党の公約を見ると、第四次産業革命、IT/デジタル産業、環境産業への積極投資などを謳っている。


 中でも、立憲民主党は、「産業競争力強化の観点から、製鉄産業などエネルギー多消費産業、脱炭素への対応が求められる自動車産業等へ、産業構造変革を促す財政支援を一層強化します。大きな投資が見込まれる設備更新については、前倒しで実施できるよう各企業の成長戦略を後押しする支援を行います」と明記している。


 維新の会は、「すべての産業分野において、競争政策3点セットとして①供給者から消費者優先、②新規参入規制の撤廃・規制緩和、③敗者の破綻処理が行われ再チャレンジが可能な社会づくりを実現します」とそのポリシーを明記している。


 与党自民党には明確な産業構造改革に関連する記載は見られなかった。


■ ドイツから学べ!


 与党の支持団体を考えると期待はできないことも確かである。だからこそ、ドイツの政策に見習ってもらいたい。シュレーダー改革、特に「アジェンダ2010」というものがある。ドイツでは「労働市場改革法」を2003年12月に可決し、解雇制限などの規制緩和を図った。高い労働コスト抑制、労働市場の柔軟性を高めた結果、短期的には失業者が500万人を超えたが、長期的には、雇用の流動性が高まって労働市場が拡大し失業者は減った。


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