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参議院選挙の本当の「争点」⑦ロスジェネ・就職氷河期対策

Japan In-depth / 2022年7月5日 18時0分

参議院選挙の本当の「争点」⑦ロスジェネ・就職氷河期対策


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)





【まとめ】


・ロストジェネレーションの生活苦、将来的な高齢者貧困リスクが問題になっている。


・各党が就職氷河期世代の就職支援策や正規雇用者増大策を掲げている。


・就職氷河期世代の問題は、仕事だけではなく「孤独」も大きい。


 


ロスジェネ。


ロストジェネレーション・失われた世代の略称である。 日本では就職氷河期世代のこと。様々な見方はあるが、1973年から1980年に生まれた人を中心に相当、前後数年も含めると言われている。団塊ジュニア世代、ポスト団塊ジュニア世代と呼ばれる現在40~49歳程度になるのだろうか。2300万人もの人が対象になる。


 


□ロスジェネが迎える深刻な危機


1995年~2000年前後の就職氷河期に遭遇してしまい、そのタイミングでうまく社会に出られなかった人、その後、リーマンショックで転職するタイミングを失ったり、失職したりする人、会社でパワハラなどのハラスメントで退職せざるを得ない人、体調を崩したりする人、様々である。私もこの世代に該当。就職試験で100社以上応募・受験し、なんとか潜りこめたくらいで、本当にきつかった。転職活動でうまくいかず引きこもった時期もあったし、なんとか立ち直ることができたが、本当に大変だった。悲しいことに、多くの同級生を自殺などで失っている。


企業でも自治体でも、該当する40代は、少ないボリュームゾーンとなっている。ロスジェネの支援も政府がやっているものの、なかなか深刻な問題になりつつある。人手不足の現場でさえ、スキルなどが身につかなかった中年を雇うのはなかなか厳しい。スキルも高い若い世代にとって、扱いづらい「年上部下」になってしまう。


日本総研レポートでは10年後、「団塊ジュニア世代のうち、将来親の介護で生活が困窮するリスクが高い「生活不安定者」は33.4万人と試算」、20年度、「団塊ジュニア世代のうち、自身が高齢化し「将来高齢貧困に陥りかねない人」は、41.4万人にのぼると試算」とも言われている。かなり深刻だ。


 


□ロスジェネ支援施策


内閣府は、就職氷河期世代支援プログラムを着実に行っている。


「就職氷河期世代支援に関する行動計画 2021」に記載された問題意識では「就職氷河期世代の中には、長期にわたる不安定就労や無業状態、職場での傷つき等の経験から、就労や社会参加に向けた支援を行う上で、配慮すべき様々な事情を抱える方がおられる。それぞれの方々の当面の目標は、在宅での作業などの様々な働き方を含めた就労や社会的つながりの回復を始めとする社会参加など多種多様であり、それらの方々が生活の基盤を置く地域の実情もまた多様である。このため、画一的ではなく、地域 の創意工夫も活かし、一人一人の事情や地域の実情に即した支援メニューを構築」という方針を明らかにしている。


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