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参議院選挙の本当の争点⑬ エネルギー・環境政策

Japan In-depth / 2022年7月10日 0時15分

蒸気機関や工場の動力源として石炭が利用され、産業革命がおこった。その後、石油が第二次大戦後広く普及した。工場や輸送機器(船舶、自動車、航空機)、発電用の燃料として利用され、また、暖房用の燃料や化学製品の原料等として石油が大量に消費されるようになった。大まかにいってこういった歴史であるが、大事なのは、国際政治においてエネルギーは大変重要な要因であることだ。





















▲表 【出典】筆者製作





①満州事変:アメリカでは日本製品(主として生糸,他に陶器,白熱電球,鉛筆,歯ブラシ,くぎなど)の不買運動がおこり、イギリスからは懲罰的な関税を食らう





②日本の仏印進駐:アメリカ・イギリス・オランダは対日石油輸出を全面禁止





③第4次中東戦争・オイルショック:日本の経済に影響





我が国にとっても、第二次大戦に至ることになった原因の1つでもある。エネルギーが政治に及ぼしたといってよい。それだけ国の責任が問われる政策でもある。





■各党論点





エネルギー価格の高騰にどう対応するのか?生活への影響は?電力不足にどう国民は対応するのか?電力不足が想定される今年の冬をどうしのぐのか?こうした点について具体的なソリューションが国民にとっては気になるところだ。





さらに、国際社会での社会問題解決。2030年には温室効果ガス排出量を2013年比で46%削減、2050年に完全なカーボンニュートラルを実現することを目標としているが、本当に可能なのか?もとても大事である。





各政党、どの党も自然エネルギー推進をうたっている。気候ネットワークさんが、素晴らしい比較を提示されたので、それを紹介したい。









▲表 【出典】気候ネットワーク「第26回参議院議員選挙各党選挙公約の気候変動エネルギー政策に関する分析」





専門家の分析結果を踏まえると、論点は2つ。第一に、原発再稼働が論点だろう。各党バラバラである。より、明確に示すと以下のようになる。









▲表 【出典】筆者作成





第二に、再生可能エネルギーの具体策である。各党、再エネにシフトと言っているが、なかなか難しい事実がある。再エネ比率18%で各国と比較してとても低い。









▲図 【出典】資源エネルギー庁、再エネ比率





これをどう考えるのか。日本は山岳地帯が多く、欧州のように太陽光パネルを張れるような土地は少ない。風力にしても、風がなかなか安定しない。バイオマス発電所は木材・チップの輸送コストがかかるし、含水率などによってボイラーを燃やすのも安定しない。そして、発電しても系統接続する(発電した電気を配電事業者の送電線、配電線に流すために、電力系統に接続すること)にもコストがかかる。つまり、自然エネルギー比率を「どうやって」割合を増やすべきか、の提案が問われるべきなのだ。





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