「要人警護、抜本的に変えよ」安倍元首相殺害事件の教訓
Japan In-depth / 2022年7月11日 1時4分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・銃器によるテロに備え、要人警護は抜本的に変えるべき。
・演説は原則建物の中で行い、街中には中継映像を流す。遊説は特殊車両で。
・一般人の身の回りに当たり前にある危険に、細心の注意を。
安倍晋三元首相が暗殺された。
手製の銃が使用されたことが社会に衝撃を与えた。今回私たちは、知識さえあれば殺傷能力のある武器を簡単に作れるという現実を突きつけられた。
人を殺すにはナイフがあれば十分だ。しかし、相手が要人だと容易に近づけない。それなら銃だ、という発想がわくのは至極当然だ。日本だとて、そのリスクが当たり前にあることを自覚しなければならない。
振り返れば、要人の銃撃事件は過去幾度もあった。
1990年1月、本島等長崎市長が右翼団体構成員に拳銃で撃たれ重傷を負った。
1992年3月、当時自民党副総裁金丸信氏が3発の銃撃を受けたが、銃弾は外れて無事だった。
1994年5月、総理大臣を辞任した直後の細川護煕元首相が、都内のホテルで右翼団体の元幹部の男に銃撃されたが、無事だった。
1995年3月、当時警察庁長官国松孝次氏が自宅前で銃撃され重傷を負ったが、犯人は逮捕されず時効を迎えた。
2007年4月、長崎市長選で再選を目指していた現職の伊藤一長氏が暴力団幹部の男に銃撃され、その後死亡している。
銃ではないが、2010年12月12日、茨城県議会議員選挙投開票日当日、立候補者である元自民党茨城県議会議員戸井田和之氏の選挙事務所にトラックが突入した。事務所にいた戸井田氏の叔父はトラックに轢かれ死亡した。
まさに政治家にとって選挙戦は命がけ、対抗勢力から様々な圧力や、誹謗中傷を受けることなど日常茶飯事だ。
小生の知人(女性)が地方議会議員選挙に立候補した時は、自家用車のタイヤがパンクさせられるなど嫌がらせが多発した。駅で演説をしたり、チラシを配っていたりすると、男性が近寄って威嚇してくることなどしょっちゅうだ。そういうときは支援者が不審者と対峙し、排除するようにしていたが、もしその人物がナイフなどもっていたら、とぞっとする。つまり、危険は当たり前の様にそこにある。
今回の安倍氏暗殺事件の教訓は2つある。
1つは政治家、もしくは政治の世界に身を投じようという人は、「自分の身は自分で守る」という意識を明確に持つべきだということ。最低でも本人は「防刃ベスト(防弾チョッキ)」を着用することがマストだ。
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