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「要人警護、抜本的に変えよ」安倍元首相殺害事件の教訓

Japan In-depth / 2022年7月11日 1時4分

出典)Pool Photo/Newsmakers/Getty Images News


筆者はかつてメキシコで防弾仕様の特殊車両架装メーカーを取材したことがあるが、キャビンのガラスは全て厚さ数センチの防弾ガラスに交換し、内装は全て剥がして、防弾チョッキなどに使われるアラミド繊維(デュポン社のブブラーなど)を何層にも貼り合わせていた。車体の下で手榴弾が爆発してもびくともしない対テロ性能を売りにしていた。メキシコなど中南米では身代金目的の要人誘拐が頻発しており、武装した犯罪集団に襲われる危険性が極めて高い。その為、企業のトップや政治家などはこうした特殊車両をこぞって買うのだ。


そこまでする必要は無いかもしれないが、今回の様なテロが今後起きないとは限らない。用心に越したことはないだろう。


そして、身の回りの危険に備えるべきは、私たち一般人も同様だ。実際、街中で殺傷事件は当たり前に起きている。


若者の町、東京渋谷では2012年2月22日午後4時ごろ、東急東横線渋谷駅の駅ビル内で、60代の女性が刃物で背中や腕など数カ所を刺され、負傷した。70代の女性が殺人未遂の現行犯で逮捕されたが、刺された女性はこの女と面識はなかったということだ。通り魔的な犯行だった。


また、同年5月23日には、東京メトロ副都心線渋谷駅構内で男性が男に切りつけられ重傷を負った事件が起きた。逃走した男は殺人未遂容疑で逮捕された。男は「駅構内で体がぶつかり頭にきた」と供述したとのことだが、これも防ぎようのない凶行だった。


そして記憶に新しいのが、2021年に起きた列車内での連続刺傷事件だ。


2021年8月6日夜、神奈川県川崎市の登戸駅から東京都世田谷区の祖師ケ谷大蔵間を走行中の小田急線の快速急行内で、女子大学生ら乗客3人が34歳の男に包丁で切り付けられ、重軽傷を負った。


また同年、10月31日、東京都調布市を走行中の京王線電車内で24歳の男が刃物を振り回し、17人が重軽傷を負った。走行中の列車という逃げ場のない空間での凶行は大きな社会問題となった。


こうしてみてくると、日本の安全神話はとうに崩壊しているのではないかと思えてくる。


周囲に警戒を怠らないという自己防衛の意識が必要だ。スマホの画面ばかり見ていたり、イヤホンで周囲の音を全く聞いていなかったり、現代人は周りに注意を払わなくなっている。挙動不審な人間は見れば分かるものだ。人混みではこれまで以上に注意を払う必要があろう。それが我が身を、そして大切な人を守ることにつながるのだ。


トップ写真:参院選で、自民党候補の応援演説を行う安倍晋三元首相 2019年7月7日 千葉県


出典:Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images


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