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宗教と資金活動について(上)異文化への偏見を廃す その6

Japan In-depth / 2022年7月31日 15時4分

 1954年、文鮮明という韓国人が設立した新興宗教で、彼は信者から「地上に降りたメシア」と呼ばれている。2012年に他界したが、その後、未亡人である韓鶴子女史ともども「真の父母」と呼ばれているようだ。


 名称から容易に察せられる通り、キリスト教系の新興宗教だが、1968年に韓国と日本において「国際勝共連合」を設立するなど、反共政治団体の一面も持つ。


 この団体が岸信介元首相ら、世に言う自民党タカ派の政治家たちとズブズブの、もとい、親密な関係にあったことは今や広く知られるが、ここでその話を「おさらい」するつもりはない。


 すでに多くのメディアが報じているし、安倍元首相が射殺された事件との関わりについては、前述のように、未だ裁判も始まらない段階で断定的な論評をするのは、それこそ宗教団体一般に対する偏見を助長しかねない。個人的にはむしろ、事件直後から、安倍批判こそ正義だと大衆にすり込んだメディアが一番悪い、などとネットで息巻いていた「文化人」諸氏は、その後いかがお過ごしなのか、そちらの方が気になるが笑。


 ……などと嫌みを言っている場合でもないので、今回はこうした宗教団体がどうして生まれ、勢力を伸張させてきたのか。という点にスポットを当ててゆきたいと思う。


 まず、日本ではあまり知られていない事実だが、韓国は東アジアでは抜きん出てキリスト教の勢力が強い。韓国人の信仰と聞くと、まず儒教を思い浮かべる人が多いと思うが、実際はそうではない。


 2005年の統計によれば、韓国のキリスト教徒は総人口の3割近くを占め、2割程度とされる仏教徒より多い。儒教の信者と認定されているのは0,2%に過ぎないそうだ。もう少し厳密に言うと、なんらかの宗教に帰依している人は総人口の53.1%、無神論者を含めて信仰を持たない人は46.9%で、前者=宗教人口のおよそ5割がキリスト教徒なのである。


 信仰の形態も日本とは違い、一般に基督教(キドンキョ)と呼ばれるのはプロテスタント諸派で、カトリックは天主教(チョンジュキョ)と呼ばれて区別されている。


 礼拝が行われる場所も、プロテスタントは教会(キョフェ)、カトリックは聖堂(ソンダン)と呼んでいるようだ。


 アジア太平洋戦争が日本の降伏という結果に終わったのに伴い、朝鮮半島は独立を回復したが、当時の国際情勢を反映して、南北に分断されたことはよく知られている。


 また、北朝鮮において物神化された共産主義思想が、金王朝とまで呼ばれる世襲の独裁体制の背景となったことも、やはり広く知られる通りだ。


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