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陰謀説の危険 その7 オウム真理教にみる日本の反ユダヤ主義 

Japan In-depth / 2022年8月3日 23時0分

 同論文は「恐怖のマニュアル」が日本の政治指導者や各界著名人のうち国際派、改革派と目される人たちの具体的な名をあげ、「ユダヤ的日本人」というような表現で敵意を表明しているとし、「もし(『恐怖のマニュアル』が述べるように)オウム真理教が、ユダヤ人が今後5年に世界の人口を30億人にまで抹殺するなどと信じ、そのユダヤ人というのが国際化された日本人を意味するのだとすれば、国際的な東京都心に集まる日本人を大量に殺すことは、それなりに理屈が通ることになる」と述べて、反ユダヤ主義の恐ろしさを訴えていた。





 この論文はさらにオウム真理教が1984年にスタートし、89年に宗教法人として認知された経緯をさかのぼり、「日本ではちょうどこの時期に宇野正美氏、広瀬隆氏ら『ユダヤの世界乗っ取り陰謀』を説く人物が現れていた、と報告していた。





 グッドマン教授はさらにこの論文で「オウム真理教の幹部たちがこれら反ユダヤ主義を説く人物からヒントを得ていたことは『恐怖のマニュアル』にも明記されている」と述べるとともに、「日本の反ユダヤ主義やホロコースト否定をささいな現象として軽視することは危険な間違いだ」という警告を、アメリカ側の学者や言論人に向かって繰り返し表明していた。





 日本のなかの反ユダヤ主義がきわめて危険な陰謀説としてアメリカ人学者によって指摘され、警告が出されていた点は、陰謀説の研究の国際的広がりとして注目される。





(つづく)





トップ写真:地下鉄サリン事件後、プラットフォームを一掃する自衛隊隊員たち(1995年10月31日) 





出典:Photo by Japanese Defence Agency/Getty Images









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