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河野大臣の就任会見、2日遅れ政治家の器量問われる場だが

Japan In-depth / 2022年8月13日 13時4分

 


 筆者個人が真っ先に思いうかべるのは、1998年1月26日のクリントン米大統領の会見だ。






写真)ホワイトハウスの前にて弾劾されたことに対して会見を開くクリントン大統領。1998年12月19日。





出典)Photo by David Hume Kennerly/Getty Images









 自分の娘といくつも年の違わないホワイトハウスの元実習生との不倫関係を暴露された直後、「私は、あの女性といかなる性的関係ももったことはない。この話はウソだ」と強弁した。





 あの時のクリントン氏の恐ろしい形相は今もって忘れられない。人は良心がうずく時、あのような表情になるのか。





 後になってウソをついていたのは「あの女性」ではなく、大統領自身だったことがわかり、米史上2度目の弾劾裁判にかけられる(評決は無罪)という不名誉な事態を招く。





 この時の記者会見で事実関係を認めて謝罪していれば、きびしい批判は浴びても、あそこまで傷口が広がることはなかったろう。





 最近の日本での例としては昨年1月、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言中にもかかわらず、高級クラブで深夜まで仲間と豪遊していた自民党の元大臣は、問題が報じられた後も「1人で行った」とメディア、国民を欺き続けた。





  露見すると、「前途ある彼らを何としても、かばいたかった」と、ことさら大物ぶって「面倒見のいい兄貴分」を気取って見せた。





 議員辞職もせず、離党しただけですませようとしたものの、有権者は騙せず、昨年秋の総選挙では落選の憂き目をみた。





 失礼ながら、クリントン氏ほどの大物ではなかったから記憶している人は少ないかもしれない。













■日米関係揺るがした「同盟に軍事側面なし」





 国益を損なった深刻なケースは1981(昭和56)年5月の鈴木善幸首相(当時、故人)のアメリカでの発言だ。





 鈴木首相は大型連休を訪米してレーガン大統領(同)と会談、その後に発表された共同声明に、初めて「同盟」という言葉が盛り込まれた。





 いまでこそ、日米関係の代名詞になっているが、鈴木氏は直後の記者会見で、「(同盟という言葉に)軍事的意味合いは全くない」と言い放ち、日米両国をびっくりさせた。





 当初から軍事的側面を含むという立場だった外務省と首相官邸が対立、当時の外相が抗議の辞任をする騒ぎに発展した。





 政府は「軍事的側面をもつことは認めるが、あらたな意味合いを付加したものではない」という統一見解で沈静化を図った。





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