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韓国人に叱られた話 戦争と歴史問題について その5

Japan In-depth / 2022年8月20日 23時0分

「林さん、そんな風に、丸く収めようとする書き方は、よくないですよ。あの教団は絶対につぶさないと駄目です」


私は、事を丸く収めようなどとは思っていないし、間違ったことを書いたつもりもないが(くどいようだが、記事を参照していただきたい)、彼の気持ちもよく分かる。


安倍元首相が射殺された事件を機に、統一教会と自民党との関係が取り沙汰されるようになったわけだが、彼も各界を取材し、韓国にも情報を送っている。


今回に限って匿名で登場願った理由についても、これでお分かりいただけるだろう。関連団体の中には、国際勝共連合という極右団体もある。安倍元首相が祖父(岸信介)の代から親密にしていたと称されるのは、もとはと言えばこちらの団体の方だ。


これについても当の韓国人ジャーナリストに言わせると、こうなる。


「最初は、あれ、この漢字、日本風にどう読むんだっけ、なんて思ってしまいましたよ。韓国語風に読むとスンゴン(勝共)ですけれど、共産主義者に勝つぞ、という意味でしょう。冷戦が終わってから30年も経つというのに、日本の政治家の頭の中では、時計が止まっているのでしょうか」


彼は私より少し若いが、それでも軍事政権時代の韓国で初等教育を受けている。その当時、具体的には1960年代だが、小学校の教科書に載っていた北朝鮮兵のイラストなど、顔は狼で目は真っ赤であったとか。こんな恐ろしい連中なのだ、ということを小学生にすり込もうとしていたわけだ。


「今は、だいぶ変わってきてますよ。色々な国の援助があったおかげで、経済発展もあり得たのだと、結構公平に教えています。昔も今も反日教育をやっているというのは、それこそ日本の右翼が流したデマですね」


韓国内における統一教会の組織も、軍事政権の時代には一定の勢力を持っていたが、民主化が進むにつれて、次第に相手にされなくなって行った。資金の大半が日本で集められているというのは、根拠のある話なのだ。最近では、韓国内で「宗教弾圧」に抗議する集会が開かれているが、これも参加者の大半は日本人信者であると聞く。


彼がとりわけ義憤にかられたのは、合同結婚式に参加した夫婦から生まれた「祝福2世」の若者たちから聞かされた話で、ある若者は、6人きょうだいだが一緒に育ったのは3人、と語ったそうだ。


あとの3人は、子供のいない信者のところに養子に出されたとか。







▲写真 世界平和統一家庭連合協会が催す合同結婚式に参加する数千組のカップル(2020年2月7日韓国・加平群) 出典:Photo by Woohae Cho/Getty Images


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