「核バカッター」も制裁を受けるべき 戦争と歴史問題について その6
Japan In-depth / 2022年8月23日 23時0分
そのように反省しない相手だとすると、今度は矛先を林に向けてくるのではないか、と思われるかも知れない。心配はご無用……と言うよりも、それこそこちらの思う壺である。
10年以上なにひとつ進歩していないJSF一派(にわかに信じがたいことだが、今でも若干名の支持者はいるらしい)を尻目に、彼らを取り巻くネット社会の方は、かなり進歩してきている。
Wikipediaの記事を改ざんしたり、悪意あるコメントを連投したりすれば、容易に発信者を特定して法的処置を講ずることができるし、ネット上での誹謗中傷を拡散しただけでも名誉毀損に該当するとの判例もある。侮辱罪も厳罰化された。
司直の手にかかれば、これまでなぜか必死で隠してきた素性も明かされるし、そうなれば、
「国立の大学院を出た理系の修士である」
「複数の外国語に堪能で、英語とロシア語の文献には毎日目を通している」
といった触れ込みの真偽も、満天下に明かされることとなるだろう。
お望みなら私が英語で尋問してもよいし、ロシア語、ドイツ語、アラビア語に関しては、ネイティブもしくはそれに近い能力を備えた人の協力が得られるので、検証可能性ならば十二分にある。受けて立つかね?
……ここまでやられても、おそらくこの人物は「徹底抗戦」を試みるだろう。
折も折、原発への砲撃について、ロシア側は「ウクライナの仕業だ」と言い出した。
たしかに客観的に見て、親ロシア派が実効支配した地域にある原発をロシア軍が砲撃するというのは不自然な話で、ロシアの暴虐を世界に訴える目的での、ウクライナによる謀略である可能性もゼロではない。ヨーロッパの一部メディアでは、そうした意見も見受けられるし、もしもこの説がネットでポピュラーになれば、私の言った通りですね、などと「顔の見えないドヤ顔」になるのだろう。
しかしながら、ロシアによる「核の威嚇」の一環であるというゼレンスキー大統領の主張の方を国際世論が受け容れていることも事実で、そもそもこの戦争はどちらが仕掛けたのかを思い起こせば、理非は明らかではないか。
一瞬で千里を駆け抜けたと思ったところが、実は釈尊の掌の上であったことを悟って心を入れ替えたのは孫悟空だが、なにひとつ「反省」もせずにロシアの掌の上で踊り狂うようでは、それこそサルにも劣ると言われても仕方あるまい。
以下、読者には蛇足の説明になるかも知れないが、私が言いたいのは、こういうことだ。
現在のネット社会においては、ブログやツイッターも常に不特定多数の目にとまる。そこに著名人も素人もないのだから、批判の自由もまた、万民平等に担保されるべき、というのが彼らネット民の主張であった。
ご高説ごもっとも。ならば「責任を伴う自由だけが本物の自由である」という大原則にも、ちゃんと従っていただきたい。
今次のロシアの暴挙は歴史の名において重く罰せられねばならないが、核の問題についてまともな知見も備えていないくせに、核の脅威を憂慮する人々を嘲笑した行為も、断じて許されてはならないのである。
トップ写真:ウクライナのプリピャチにあるチェルノブイリ原子力発電所 出典:Photo by Brendan Hoffman/Getty Images
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