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「参拝」も「国葬」も説明不足のままだ 戦争と歴史問題について 最終回

Japan In-depth / 2022年8月29日 23時0分

他に賛成派の意見を見ると、たとえば「2ちゃんねる」の元管理人であった「ひろゆき」氏が、弔問外交ということで、各国の高官が来日するのだから、コストも見合う、という意見を開陳した。


たしかに「税金の無駄遣いだ」という論法で国葬に反対する人も見受けられるが、議論の本質はコスト論ではない。法的根拠も曖昧なまま、国民ひとしく弔意を表せ、などということでよいのか、という話だ。


これはもちろん、私一人だけの意見ではなく、他にも様々な反論にさらされた「ひろゆき」氏は、


「国葬が駄目なら〈お別れ会〉とか」


などと言い出す始末。有力な反論にさらされるや、論点をずらしてしまうというのは詭弁としても幼稚に過ぎて、まったく「論破王」が聞いて呆れる、という話なのだが、弔問外交と見なせば、ということ自体は、たしかにユニークな視点ではある。


これは、基本的に私の推測であることを明記しておくが、拙速に国葬を決定した岸田政権の考えは、新型コロナ禍もあって、安倍元首相のように派手な外交パフォーマンスを演じられない自分が、外交の表舞台で「主役」になれる好機だということだったのではないだろうか。統一教会の問題で、完全に裏目に出たわけだが。


前述の『英霊の聲』という小説は、特攻隊員の霊が降臨して、


「などてすめろぎは人となりたまいし=天皇はどうして人間になったのか」


などと語る、という内容だ。天皇が神ではないとすれば、自分たちは一体なんのために死んだのか、と。


彼ら戦争犠牲者にせよ、凶弾に斃れた安倍元首相にせよ、政治利用されることこそ不本意の極みだと言いたいところではないだろうか。


トップ写真: 靖国神社と喪章をつけた日本国旗


出典:Getty Images


 


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