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軍拡路線追認する新聞に問う その1

Japan In-depth / 2022年9月12日 0時6分

海自の掃海ヘリ、MCH-101はたった11機調達するのに国内生産、事実上は組み立てだけで2倍以上。P-1哨戒機は機体、エンジン、システム全部専用で当然調達、運用コストは高くなる。ベストセラー旅客機737をベースにした米軍とは大違いだ。どこの国でもそのような「贅沢」はしていない。


C-2の調達、運用コストは他国の輸送機の数倍だ。C-2のCPFH(Cost Per Flight Hour)は約 274万円、米空軍のC-130Jが 約 61.8万円、C-17が 約150.9万円(※1ドル/ 112円 30年度支出官レート)だ。(※参考:『防衛』平成30年10月24日)







▲写真 輸送機C-2 出典:航空自衛隊


C-2のCPFHはC-130Jの4.4倍、C-17の1.8倍にもなる。ペイロード1トン当たりのCPFHは、C-2は10.5万円(26トン)、C-130Jは3万円(20トン)C-17(77トン)は1.96万円である。C-2のペイロード1トン辺りのCPFHはC-130Jの約3.5倍、C-17の5.4倍と、比較にならないほど高い。


因みに1機あたりのLCC(ライフ・サイクル・コスト)はC-2が 約 635億円、C-130Jが 約 94億円、C-17が 約 349億円である。C-2の1機あたりのLCCはC-130Jの6.8倍、C-17の1.8倍である。


これがペイロード1トン当たりのLCCになるとC-2は24.4億円、C-130Jは4.7億円、C-17が4.5億円であり、C-2の1機あたりのLCCは、C-130Jの5.2倍、C-17の5.4倍となり、これまた比較にならないほど高い。


調達単価も来年度(当時)の防衛省概算要求では1機225億円で(令和5年度は約256億円、内初度費34億円)、ペイロードが3倍近いC-17と同等である。C-2の調達及び維持費は輸送機としては極端に高いことがわかるだろう。調達単価、CPFHの面からもC-2は極めてコストが高い。


こういう自衛隊装備の高コスト体質に日経の記事は全く触れずに、単に整備費が不足していると述べている。これはフェアな報道ではない。


例えるなら手取り400万円の経済観念のないサラリーマンが通勤用に70年代のビンテージのアルファロメオを1千万円でローン組んで買うようなものだ。ローン返済で食費も、ガソリン代も事欠くだろう。


その場合の解決策は会社に給料を上げてくれ、ではなくアルファロメオをより価格も維持費も安い中古のカローラなどに変える方が先だろう。


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