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軍拡路線追認する新聞に問う その2

Japan In-depth / 2022年9月14日 22時0分

小泉内閣では有事法が成立し、自衛隊を縛る規制が緩和された。例えば野戦病院は病院法違反で実戦では使用できなかったがこれは解消した。だが、まだ問題となる規制は少なくない。しかし、その後の内閣は全くと行っていいほどノータッチだ。そして日経を含む新聞もこの問題を無視してきた。


日経の記者にはそのような自衛隊や軍隊に対する基礎的な知識が欠如している。新聞やテレビ、通信社など記者クラブメディアは非会員メディアやフリーランスを排除して記者会見や各種レクチャーなどの取材機会を独占しているが、防衛省に日がな一日入り浸って、一体何を取材してきたのか。


(以下、引用)


>陸自の自衛官は「活動に必要な予算すらなければ、隊員の士気に関わる。いざというときに力を発揮できる環境を整えてほしい」と訴える。


(引用おわり)


こういうコメントを使うのも、意図的な防衛費増大を狙う意図的な世論誘導だろう。「必要な予算」をつけてこなかったのは陸幕にまともな軍事常識が欠如しており、適切な予算配分を怠ってきた結果である。


他国の3倍の戦車、3~10倍の小火器を野放図に調達していれば、隊舎の更新やトイレットペーパーが買えなくなるのは当たり前の話である。





▲写真 16式機動戦闘車 出典:陸上自衛隊第6師団HP


そのお高い装備も欠陥が多い。16式機動戦闘車はつい数年前まで、クーラーが無かった。財務省が「夏場にクーラー無しで、特に南西方面で戦えるのか、クーラーをつけないならば予算を認めない」と言われて、クーラーがつくようになった。だがそれ以前に調達した16式はクーラーをつけるという話を聞いたことがない。財務省に言われて渋々つけたのだ。陸自の装甲車両の多くはクーラーがなく夏場のNBC環境では戦闘が不可能だ。


意図しているかどうかは不明だが、相手の言い分を検証しない、あるいはできる能力がなく、防衛予算を増やせという主張を取り上げているようにしか思えない。


(以下、引用)


>防衛費は戦闘機や艦艇などの大型で目を引く正面装備ばかりが注目されてきた。防衛省も自衛官の身の回りの備品や隊舎整備、移動費などに関する予算要求を諦めていた。


(引用おわり)


これはご案内のように、記者クラブメディアがそのようなことを問題としてこなかったからだ。そのようなことを問題として報じてきたのは我々専門記者である。


そもそも記者クラブの記者に軍事の専門知識や常識はない。専門知識も興味もない記者が、外国の軍事事情も取材した経験記者が防衛省に配属されているに過ぎない。だから防衛省や自衛隊の話が本当かどうか、検証もできない。だから当局の「ここだけの話」というリークを聞いてこのような記事を書くのだ。


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