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呆れたNHKのやらせ 根絶策は?

Japan In-depth / 2022年9月19日 11時0分

呆れたNHKのやらせ 根絶策は?




安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)





【まとめ】





・BPOは、BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』に「重大な放送倫理違反があった」との意見書を公開。





・NHKがドキュメンタリーなどを数多く制作していることと、番組制作に関わる人間のジャーナリズムに対する理解の欠如がやらせの原因。





・NHK、民放、制作会社が共にジャーナリズムを学ぶ場があってよいのではないか。





 




BPO=放送倫理・番組向上機構の放送倫理検証委員会 は9月9日、「NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見」を公開した。意見書は、同番組に「重大な放送倫理違反があった」とした。


この番組は、NHKが2021年12月26日に放送した、BS1スペシャル『河瀨直美が見つめた東京五輪』だ。河瀬直美氏とは、東京五輪公式映画監督だ。


同番組HPは、「開催を巡り賛否の声がぶつかりあった五輪が私たちの社会に残したものとはなにか。その問いへの答えを探そうと、河瀨さんは膨大な映像素材と向き合っている。長期にわたる密着取材に加え、記録映画の素材も用いながら河瀨さんの知的格闘を描く」と記している。


同番組は、河瀨直美氏と映画製作チームに密着取材したものだが、問題となったのは、公式映画の撮影を担う映画ディレクターが、ある男性を取材するシーンだ。


字幕には、「五輪反対デモに参加しているという男性」、「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」となっていた。男性は公園のベンチに座り、手に缶ビールを持ちながら、「デモは全部上の人がやるから (主催者が)書いたやつを言ったあとに言うだけ」などと発言した。この男性は東京の山谷地区で働く日雇い労働者だった。


しかし、この男性は過去、幾つかのデモに参加したことはあったが、五輪反対デモには参加していなかった。このシーンを見れば、視聴者は五輪反対デモの参加者が金で動員されているとの印象を受けるのは自明だ。放送倫理違反などというと綺麗に聞こえるが、ようするに悪質な「やらせ・ねつ造」である。


NHKは、同番組後編の字幕の一部に不確かな内容があったとして、2022年1月9日、番組と局のホームページで公表し謝罪している。不確かというより、「虚偽」であろう。


なぜこんなことが起きるのか。NHKは過去にもやらせを行っている。BPO放送倫理検証委員会は2015年11月、「NHK総合テレビ『クローズアップ現代』“出家詐欺”報道に関する意見」(委員会決定第23号)を公表している。


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