ジェンダーギャップと女性活躍
Japan In-depth / 2022年9月20日 7時0分
新型コロナウイルスワクチンを開発した米企業モデルナでは、女性会社員数は全体の47%を占めると同時に、女性幹部数は40%にのぼる。ワクチン開発責任者を勤めるフランチェスカ・セディア氏は、「企業の発展には試行錯誤を問わない好奇心が求められ、こうした好奇心を生かすためには、あらゆる人種、文化、性別を持つ人に平等な発言権を与えることが大事である」と述べた。「その自由さと平等さからダイバーシティが生まれ、常識を超えるチャレンジと企業の成功とつながる」とした。
▲写真 モデルナワクチン開発責任者フランチェスカ・セディア氏(2022.09.19) 出典:日経が開催した「ジェンダーギャップ会議次世代につなげる、グローバルで活躍する女性リーダーたち」にてキャプチャー
後に紹介するMS&ADインシュアランスグループホールディングスの執行役員本島なおみ氏は「女性は未開発的財産」と述べた。彼女らに発言権を与えて自己実現させることが企業を豊かにし、望ましい収益を作り出すことにつながると感じた。
また基調セクションで複数の登壇者が述べた「人間の生き方を大事にしない会社は選ばれない」という観点も重要だ。従業員に同じ機会を提供することにより、社外から優秀な人材を連れてくることができる。さらに、社内の人材のモチベーションが高まるに違いない。
誰もが価値を感じ、貢献し、成長し、リードする機会を得られる環境の中で、自分の可能性を最大限に発揮できるようになり、より大きい利益を企業は得ることができるのではないだろうか。
■ 女性を活躍させる仕組み
現在、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」は企業経営において大切な価値観として認識されている。「多様性」である「ダイバーシティ(diversity)」プラス「包括性」である「インクルージョン(inclusion)」の共同作用で、多種多様な個人が企業内に尊重され、自分の能力を十分に発揮でき、自ら将来のポジションを掴み取ることができると期待されている。
MS&ADインシュアランスグループホールディングスの執行役員本島なおみ氏は、今社内の「D&I」の徹底化に取り組んでいると述べた。本島氏によれば、女性が管理職になるというロールモデルは身近な例が少ないので、多くの女性が将来マネジメントを担うイメージがなかなか沸かないという。この女性社員本人と周囲の社員が持っている「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」に基づき、職場に入って何年か働くと、働く意欲が低下していく女性が多く現れるという。
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