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藤岡将医師 司法試験合格

Japan In-depth / 2022年9月23日 23時22分

藤岡医師は、医師国家試験には興味がなかったが、診療は好きだった。金澤医師、標葉医師、佐藤さんなど、多くの地元の方々に支えられ、実務経験を積み、一人前の医師となった。医師としての勤務に慣れ、余裕ができると、再び資格マニアの血が騒ぎ、また試験勉強を始めた。病院の日常業務とは全く関係がない藤岡医師の「趣味」を、標葉院長や佐藤さんたちは支えてくれた。そして、今回の「快挙」となった。


これから、彼に待ち受けるのは実務だ。医師・弁護士のダブルライセンスは、今や珍しくない。何でも経験がものをいう世界だ。二つの専門領域に通じていることは、どちらについても中途半端という見なすこともできる。2000年代に入って急増した医療法の教授ポストも、いまや飽和している。30代後半で弁護士登録しても、一人前になるには時間がかかる。医療訴訟を抱えた病院は、医師免許を持った駆け出しの弁護士ではなく、医師資格はなくとも、医療訴訟の実務経験が豊富な弁護士に依頼するだろう。ダブルライセンスは医師の間では尊重されるが、患者・クライアントにとっては何の価値もない。


藤岡医師は、どうやって弁護士という資格を活用するのか。私は、医師に軸足をおき、試行錯誤を繰り返すしかないと考えている。その意味で、「包容力」がある相馬は魅力的だ。司法研修と武者修行を終えた藤岡医師が、数年後には相馬に戻り、新たな医師のキャリアパスを作り出すと同時に、相馬に恩返しすることを期待したい。藤岡医師のような異色の人材を育てるのは難しい。今回の「快挙」は、この地域の懐の深さを改めて実感した。今後の藤岡医師と相馬地方の交流に注目している。


トップ写真:2012年7月、相馬市内の仮設住宅での健康診断に参加したときの様子。左から谷本哲也医師、藤岡将医師、大西睦子医師。(筆者提供)


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