人権に鈍感な日本 ウクライナ集団墓地・拷問施設、日本もモノをいえ
Japan In-depth / 2022年9月24日 23時40分
2020年8月、ロシアの著名な反体制派弁護士、アレクセイ・ナワリヌイ氏がシベリアの空港で、飲み物に「ノビチョク」を盛られて瀕死の重症に陥った事件の際も、日本は沈黙を守ったままだった。
安倍晋三首相の退陣表明直後の混乱にあったとはいえ、そうした時にあっても、浮足立つのではなく、堂々と信念を披歴してこそ、真の大国だろう。この時もアメリカ、イギリス、ドイツなど各国はロシアを強く糾弾していた。
■ 来年のG7議長国としての自覚を
ことほどさように、日本側の人権問題への甘い対応は枚挙にいとまがない。
1989年の中国天安門事件での制裁をいちはやく解除、中国の銭其琛外相(当時)が、最も姿勢の弱かった日本に働きかけ、天皇訪中(1992=平成4年)を実現させて包囲網を突破したーと回想している。日本にとっては屈辱的な話だろう。
ミャンマー、ウィグルをめぐる対応でも国際的な人権団体などから厳しい批判を浴びている。
日本はロシアの侵略を受けて、ロシアの外交官8人を追放、ヘルメット、防弾チョッキなど防衛装備品をウクライナに供与した。過去には見られない異例の強い姿勢だった。
それだけに、ここでロシアの蛮行をみながら沈黙を守れば、後々後悔し、各国からも、やはり〝息切れ〟かと冷ややかな視線を浴びるだろう。
来年、日本はG7(主要国首脳会議)の議長国となる。政治討議では人権問題も大きな議題になる。采配ぶりを誤ればG7のなかでの存在感がますます薄れることを、岸田首相は自覚すべきだ。
トップ写真:ウクライナの Pishanske墓地で遺体を発掘する救助隊員と法医学警察。22人の兵士と5人の子供を含む合計447体の遺体が墓地から発掘された。(2022年9月23日、ウクライナ・イジューム) 出典:Photo by Paula Bronstein/Getty Images
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