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好戦性を露わにした金正恩のミサイル挑発

Japan In-depth / 2022年10月12日 0時54分

好戦性を露わにした金正恩のミサイル挑発


朴斗鎮(コリア国際研究所所長)









【まとめ】





・北朝鮮は9月25日以降、計12発の弾道ミサイルを発射。戦術核運用部隊の訓練と表明。





・前例ない頻度と任意の場所・時刻での発射が特徴。北朝鮮は「核先制使用法制化」に基づく核戦闘能力準備を検証する訓練と公表。





・ロシアのウクライナ侵攻を受け、金正恩は、万一米対中・ロ間で武力衝突が起これば、核武力で一気に韓国を支配しようと考えている。









朝鮮労働党創建記念日を前にした10月9日未明、北朝鮮は短距離弾道ミサイル2発をまたもや発射した。韓国軍合同参謀本部によると、午前1時48分から同58分にかけて、北朝鮮東部の江原道・文川(ムンチョン)付近から日本海(東海)に向けて発射された。日本の防衛省によると、いずれも最高高度約100キロで約350キロ飛び、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。これで北朝鮮は9月25日以降、計12発の弾道ミサイルを発射したが、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足してからのミサイル発射は11回目となった。





10月10日の労働新聞はこの一連のミサイル発射に対して、9月25日から10月9日まで戦術核運用部隊の軍事訓練を行ったもので、金正恩総書記が現地指導したと伝えた。





今回の北朝鮮によるミサイル連射には、これまでとは質的に異なる内容といくつかの特徴が見られる。













1.前例ない頻度と任意の場所・時刻での発射





北朝鮮は9月25日以後28,29日、10月1日の短距離弾道ミサイル発射に続き、10月4日には「火星12」と推定される中距離弾道ミサイルを発射(射程約4500キロ)したが、このミサイルは、衝突防止のためにAIS(船舶位置情報表示システム)を作動させて津軽海峡を通過中の米海軍原子力空母「ロナルド・レーガン」の進行方向に発射され、日本列島の上空を通過した。





この発射を受けて米軍は対抗措置として「ロナルド・レーガン」を急遽日本海(東海)へ再展開し、7~8日に再度米韓合同軍事演習を行った。合同演習に参加した米空母打撃群が直ちに韓(朝鮮)半島周辺海域に再展開するのは今回が初めてだ。













写真:北朝鮮が日本上空を通過する中距離弾道ミサイルを発射したことに対抗して行われた米韓合同軍事演習(2022年10月4に日 朝鮮半島上空)





出典:Photo by South Korean Defense Ministry via Getty Images





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