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落選の系譜(上)熱くなりきれないワールドカップ その4

Japan In-depth / 2022年11月28日 12時2分

だが、収まらなかったのは中田であった。なにやらカズに話しかけ、最後はベンチに向かって両手を広げ、カズの行動に対する不満をあらわにした。音声までは拾えなかったが、彼の性格からして「話が違うじゃないか」くらいのことは言っただろうと衆目が一致している。


それでもなんでも、カズは譲ることはなかった。これで見事に決めていれば、さすがは……という評価になり、くだんのメンバー選考も、違った結果になったかも知れない。


しかし現実には、ボールがクロスバーのはるか上方を超えてしまい「宇宙開発」と揶揄されるほどの、まさかのミスキックであった。


もちろん、これが全てとは思われないが、指示を無視されたあげくに失態を演じられては、指揮官(=監督)の立場がどこにあるのか、という話になる。


それ以上に、この試合は3-2で日本が勝利を収めたわけだが、3得点のすべてに中田がからんでいた。今や日本代表はカズのチームではなく中田のチームだ。岡田監督がそのように判断したとして、なんの不思議もない。


そうではあるのだけれど、プロスポーツの世界は、何よりも結果が重視される。フランス大会の結果はご存知の通り、3試合0勝3敗、勝ち点0、得点1、失点4。


惨敗を喫した「岡田ジャパン」は轟々たる非難を浴び、その分「カズを起用していれば」という声が、その後も長く聞かれることとなった。


私は、この意見には与しない。その理由などについては、次回。


(つづく。その1、その2、その3)


トップ写真:アジアプレーオフの日本対イランの試合で3-2で勝利し、FIFAワールドカップ初出場を決めて喜ぶ日本の選手たち(1997年11月16日 マレーシア・ジョホールバルのラーキンスタジアム) 出典:Photo by Etsuo Hara/Getty Images


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