ホークアイにVAR…新テクノロジーが世界サッカーの勢力図を変えるのか 日本代表躍進とともに考える
Japan In-depth / 2022年12月5日 18時0分
テニス界では16年も活用されているだけに、テクノロジーとしてはすでに熟成。「ホークアイを導入していない大会には出場しない」と明言する選手がいるほど。誤審によって試合の流れが変わることもなく、ジャッジへのクレームも激減している。またグランドスラムのひとつ、全米オープンでは、新型コロナウイルス感染症の余波もあり、すでに線審をなくし、ホークアイがコールするほどまで時代は進んでいる。
線審という仕事はホークアイに奪われてしまう時代となりつつあるのに相反し、実は新たな仕事も生まれている。国際テニス連盟が承認する国際審判として著名な辻村美和さんは「ELCレビューオフィシャル」という肩書を持つ。ELCは“Electronic Line Calling”の略。線審がいない代わりにコントロール・ルームで、映像からフットフォルトなどを判定、そしてチャレンジの際にどの映像を切り出すかなどの判断を行う重要な役割を担う。現在、これも公式な役職となっており、今後さらにニーズが高まるという見方もある。“Electronic Line Judge”そのものは、テニス界において1974年から導入が進んでおり、200キロを越えるサービスがネットに触れたかどうかなどの判定は20世紀の時点から使用されて来た。
https://hwopen.jp/columns/miwa-tusjimura2/
国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は2018年、ワールドカップ・ロシア大会でVAR技術の活用に成功を収めた経験から、この技術のさらなる活用を求め、カタール大会では半自動オフサイド判定システムも導入。さらにカタールで使用されている公式球“アル・リフラ”は、内部に慣性計測装置(IMU)センサーを搭載、1秒間に500回、ボールデータをVARルームに送信し、キックポイントを非常に正確に検出。オフサイドの判定に活用されている。
今回活用されているホークアイでは、12台の専用トラッキング・カメラを使用し、ボールと個々の選手の29のデータポイントを1秒間に50回トラッキング。選手とボールの正確な位置を常に把握しており、このデータからオフサイド判定に必要な情報を得ているという。またこのデータをAIで処理、ほぼリアルタイムでの判定を可能にしている。
FIFA公式サイトによれば、こうした最新技術の発展には、米マサチューセッツ工科大学スポーツラボによって分析・検証され、カナダのビクトリア大学が四肢のトラッキング技術を科学的に検証、さらにスイスのチューリッヒ工科大学の研究チームはマルチカメラによるトラッキング技術の知見を提供しているという。
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