ホークアイにVAR…新テクノロジーが世界サッカーの勢力図を変えるのか 日本代表躍進とともに考える
Japan In-depth / 2022年12月5日 18時0分
ここまで学術的にも検証を重ねられている点を踏まえると、今大会でこうした最新テクノロジーに触れたサッカー・ファンの中には「いや、あのシステムはおかしい。納得できない」などと感情的に異を唱えている者もあるが、そんな意見ももはや滑稽でさえある。
同サイトではインファンティーノ会長が「2018年のFIFAワールドカップにおいて、FIFAは世界最大の舞台でVAR技術を使用するという勇敢な一歩を踏み出し、それは議論の余地のない成功であることが証明された。半自動オフサイド技術は、世界中で導入されているVARシステムを進化させたものである。この技術は、今年末にカタールに向かうチーム、選手、ファンのために最高のものを提供するための3年間の献身的な研究とテストの集大成であり、FIFAはこの仕事を誇りに思っている。FIFAは、あらゆるレベルでサッカーの試合を向上させるために技術を活用することを約束し、2022年のFIFAワールドカップで半自動オフサイド技術を使用することは、その最も明確な証拠となるはずである」(原文まま)とコメントを掲載。
さらにFIFA審判委員会ピエルルイジ・コッリーナ委員長も大会前に「VARはすでにサッカー界に非常に良い影響を与えており、大きなミスが激減していることが確認できている。半自動のオフサイド技術によって、さらに一歩前進できるものと期待している。特にオフサイドの発生が非常にタイトな場合、オフサイドの可能性を確認するプロセスに時間がかかりすぎることがあるが、そこが今回の半自動オフサイド技術の出番なんだ。より速く、より正確な判断を提供することができると期待している。このテストは大成功で、カタールでは、審判とアシスタントレフェリーがフィールドで最善かつ最も正しい判断を下すための、非常に価値のあるサポートツールを手に入れることができると確信している。誰かが『ロボット・オフサイド』と呼んだことがあるが、実際はそうではない。審判と副審が最終的な判定に責任を持つことに変わりはないんだ」(原文まま)と自信のほどを表明している。
FIFA公式より
半自動オフサイド技術、2022 FIFAワールドカップで適用へ
残念ながら…として良いのだろう。もはや1986年メキシコ大会でディエゴ・マラドーナが対イングランド戦で決めた「神の手ゴール」が生まれることは、ありえないだろう。
しかし、これはサッカーの質の変革も意味していると考えられる。これまで強豪国のオフェンスについては「オフサイドぎりぎり」の巧妙なテクニックが礼賛されて来た。相手ディフェンスの裏を突き、ディフェンダーたちを抜き去り、狡猾にゴールを決めて来た技だ。今回の自動判定を眺めていると、こうしたテクニックが封じ込められている状況だ。
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