1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

少しもクールではない「冷笑系」(下) 歳末は「火の用心」その2

Japan In-depth / 2022年12月9日 18時0分

少しもクールではない「冷笑系」(下) 歳末は「火の用心」その2


林信吾(作家・ジャーナリスト)


林信吾の「西方見聞録」





 


【まとめ】


・ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が、史上最年少で三冠王を受賞し、今年のユーキャン新語・流行語大賞は「村神様」に決まった。


・小学生の流行語ナンバーワンが「それってあなたの感想ですよね」となり、先生を論破したと勝ち誇る「ひろゆキッズ」が増殖している。


・何事かを論じるのであれば、最低限なにが問題なのかを明確に示すのでなければ、論者の責任放棄だ。


 今年のユーキャン新語・流行語大賞は「村神様」に決まった。


 ヤクルトスワローズの村神宗隆選手が、史上最年少で三冠王を受賞するなど大活躍だったことから決まったそうだが、世間の反応は「ピンとこない」「聞いたことない」といったものが多く、ついには選考委員で野球ファンとしても知られる、漫画家のやくみつる氏が、


「私がねじ込んだわけではありません」


 などと「釈明会見」をする始末。他に「ビッグボス」「きつねダンス」などがトップ10入りし、野球人気の高さを見せつけた。ただし、選考委員レベルで笑。


 私自身プロ野球にはさほど深い関心はないし、と言って「PK戦」が流行語になって欲しいなどとは思わないので、まあ、正直どうでもいい。「今年の漢字」もまもなく発表されるが、私なら「惜」を選びたいな、と思う程度である。


 むしろ、小学生の流行語ナンバーワンが


「それってあなたの感想ですよね」


 というものだと聞かされて、いささか考えさせられた。


 通信教育などを手がけるベネッセコーポレーションが、小学3~6年生13,816人を対象とした意識調査で明らかになったもので、最初の発信者は「2ちゃんねる」の管理人として知られる西村博之(以下ひろゆき)氏だ。当人はツイッターで、


「先生やりづらそう」


 と他人事のような感想を述べたり、メディアの取材に対しては、TVで言った記憶はあるがYouTubeでは一度も使っていないはず、などとコメントしている。


 問題はこの言葉の使われ方で、他人の意見に対して、あるいは学習態度について注意されたような場合に、ひろゆき氏の口真似をしながら


「それってあなたの感想ですよね」


 と言い返し、先生を論破したと勝ち誇る「ひろゆキッズ」が増殖しているのだとか。


 半分くらい、起きるべくして起きた現象だろうな、と思うのだが、やはりよいことではないというのが私の「感想」である。


 大人に口答えして悦に入るような悪ガキ、もとい、あまり性格のよろしくない子供など昔から珍しくないし、なにしろ私自身がそういう小学生だったので、とりたてて「ひろゆキッズ」を問題視する考えもない。前にドリフターズや志村けんについて述べたことがあるが、たとえば、


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください