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結局は甘やかす大人が悪い(上)歳末は「火の用心」その3

Japan In-depth / 2022年12月13日 19時0分

「10歳で慰安婦にされた」


 という韓国人女性の証言を「すぐにバレるような嘘」だと断罪し、


「そのような女性は、平気で嘘をつくものだ」


 と付け加えたのだ。これを「左翼マスコミ」が、発言の一部だけを切り取って印象操作を行った、というのが、彼女を擁護する人たちの主張である。


 


 このように「つたない論法」で彼女の発言を正当化できると考える神経が、私には本当に分からない。


 


 10歳で慰安婦にされた、と聞かされれば、不自然に思う人が多いであろうことまでは、理解できる。ただしそれは、現在の日本人の感覚では、という前提がつく。


 


 今なら小学4年生か5年生くらいだが、戦前のわが国では、その年代の女の子が、これも今で言う性風俗産業に売られてしまう事例は(絶対数はさほど多くはなかったようだが)、本当にあったことなのである。


 


 もちろん、これだけでは状況証拠にすらならない。つまり、くだんの韓国人女性の証言が真実だと断定することは、はばかられる。とは言え、逆もまた真なりで「客観的に嘘だと証明できる」と言いながら、その実は具体的な証拠も示さずに人を嘘つき呼ばわりした時点で、政治家としては完全に失格だろう。


 


 もっとひどいのが、今次の問題に関する元航空幕僚長の田母神俊雄氏のツイートで、


「野党が騒ぐから法案採決への影響を抑えようとする自民党執行部の指示だろうが日本の政治は言論が不自由な方向へ向かっているようだ。民主主義では何でも自由に言えなければおかしい」


 のだとか。当然ながら大炎上したが、言論の自由には責任が伴うもので、とりわけ公人は、言ってよいことと悪いことの区別に厳しくあらねばならない、といった程度のことさえ理解できない御仁をあらためて論難しても、それこそ生産性がない。


 


 肝心の自民党内部はどうなのか。


 もちろん彼女に批判的な議員もいるが、漏れ聞くところによると、


「普段は物静かで、いい人。ネットでの過激な発言は、いささか理解に苦しむ」


 などと評する人も結構いるのだとか。


 


 個人的な感想だが、なるほどそういうことか、と納得した。


 今のネット社会で、過激な書き込みと当人のパーソナリティーが真逆に近いというのは、珍しくもない話だが、要はどちらを評価するか、ということである。


 


 彼女はもともと「みんなの党」で活動していたが、2012年に「日本維新の会」に鞍替えし、比例区で初当選。2014年の総選挙では落選したが、2017年に今度は自民党から立候補し、比例中国ブロックで返り咲いた。


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